決闘⑦ 会心の一撃
使用カード フィスコ A
雪ウサギ 3
3を出すのか
想定が外れたな…
俺は雪ウサギさんが俺と同じ考えに至りA、J、Kのどれかを出すと考えていた。
先程のリハーサル
俺は勝利した。勝因は親と子を上手く利用しポイントを重ねられたからだ。このゲームで親の優位なのは間違いなく、それは雪ウサギさんもわかっているはずだ。
なのに、この結果
親を明け渡してもいいというパターンは俺の中ではAを出しJ、Q、Kで負ける事だと思う。Kなら最高のパターンと言えるだろう
俺の中でAとは使えないカード認定している
相手のクセを読み相手の思考を完全に読めばあるいはとも思う。
だが、残念な事に雪ウサギさんと接していて100%の確信を得るのは無理だと思った。普通に考えて親でKを使うメリットはあまりない
Kは親の場合Aにしか勝てないからだ
残り1ポイントで勝ち!相手はAを持っていないからKを出し勝ち確定!
とまでなったら別だが
定石的にはKは相手が親の時に出すのが良いと思う
となると、KをAで倒すには優位性のある親の時に出す事になるはず
せっかくの親をAで負けるというのは非常に効率が悪い
このことからAは前回のリハーサルのようにAは捨て札にしかならない
KにAを当てれば一発逆転!Aが無くKを相手が親で出せば絶対に勝てなくなる
と思考が陥りそうになるが、そんな事は大した問題にはならない
親の優位性についても相手にいらないカードAで与えるのだからOKと考える。と、考えていたが…3というのが問題
俺の想定では、JもしくはK出してきて親を取られるだった
親を取るなら個人的にはそれを最善と思っているし雪ウサギさんもその考えに至り出してくると考えてしまった。
少なくとも3を出すメリットってなんだ?3なんて出したって良い事なんて今のようにAに勝ち親を得た時くらいだと思うんだが…
雪ウサギさんはAより3の方がいらないと思ってる?
俺がKを出した時にAを出す自信があるとか?それとも俺の考えがまだ行き届いていないとか?
もしかして…雪ウサギさんはやっぱりこういうゲームは強くない?
頭が良い=ゲームが強いという事はない。
本当にそうなのか?いや、その兆候はあったかもしれない
前回のリハーサルも3を出している
リハーサルの1回目10を出し同数で親である俺のポイント
最後の方の詰め。明らかに勝負が決まった時に漏らした「あっ」という呟き。あれは呟きと同時に気づいたという証拠
あの時点で気づいていたら、本番では取り返しのつかないミス
いや、本番で負けて何もないと言うのが本当ならば30万円というボーナスをみすみす捨てただけ
いいのか?こんな考えで…
だが、俺の頭で繋がってしまう
あぁもう!今考えても答えは出ない!
この勝負に勝ちながらもう少し情報を増やそう
なんやかんや勝負中見つけらなかった雪ウサギさんの特徴は
ゲームに出ていた。得たものは笑顔だけではない
情報は少ないが無いワケではない
ならば、このゲームで結論つけてやる!
雪ウサギさんはとっくの昔にカードを出している
俺は何を出すか考えていた理由ではないものの悩んでいるふうだったのか催促はされなかったのだろう。
俺もカードを出した
「両プレイヤーのカードを確認しました。OPENです」
俺はカードをOPENした
俺の出したカードはK
雪ウサギさんは?
……は?
…ちょっと待て
意味がわからない
「雪ウサギ様A、フィスコ様K。結果は雪ウサギ様の勝利です。
加えて、ルールによりAでKが倒されましたので雪ウサギ様の現ピリオドの勝利とします。」
観客がざわついている
だが、俺の真っ白な脳はそれを気にも留めずグルグルグルグルと回る
只今書き溜め中