決闘⑥ 本番スタート
今回少なめ(1100文字)
「フィスコ様。勝利おめでとうございます。コチラが勝利報酬の30万円です。」
アンセムは俺の前で30万円の札束をレジ店員がお金を数えてみせるように親指で弾き、間違いなく30万円の札束だとでも言うように俺に確認させた
「30万円は帰りにお渡ししますので、預からせて頂きます」
「あ、ああ」
俺はアンセムの問いかけに生返事で答えた
こんなにポンっと30万が手に入るなんて…
一月サラリーマンが働いて稼ぐお金を1時間もかからないゲームで手に入れてしまった。この非現実感が俺の思考を鈍らせる
「さて!では。早速ですが本戦の方を始めましょうか」
おっと
思考を停止している場合ではない。
このゲームの勝敗に関係なく、無事に元の生活に戻すとは言っていたが
この状況で確実に分かる事は。俺ら2人は見せ物であるという事
こんな30万円をポンと出せるような組織だ。
手を抜いたりして、不評を買えばどんな仕打ちが待っているか分かったもんじゃない。
とにかく手は抜かない。俺は取り敢えず勝ってあの家に…あの部屋に戻る
「念の為ですが、毎ゲーム新しいトランプを使わせて頂きます。
もしも、トランプに傷などがついており、それを目印にして出すカードがわかってしまったというのは興醒めですからね」
そういいながら、ピエロの仮面を被った助手であろう者達から
新品のトランプの箱を受け取り。
封を切り、見事な動作でカードを切りわけ
リハーサル同様に俺に♤雪ウサギさんに♡の13枚のカードを配った
「準備がよろしければ、カードを場にお願いします。両者カードを置いた時点で本戦の開始の合図とさせていただきます」
さて、慎重に落ち着いて
俺は熟考する事にした。取り敢えず候補は最善手だと思う4枚
!?
俺が考えこんでいると雪ウサギさんはカードを場に伏せた
アンセムの言葉から約10秒
決めるの早いな…もしかして、予め決めていた?
落ち着け…ペースを乱される必要はない
俺のペースで、最善だと思う手を考えるんだ
雪ウサギさんはさっき俺に負けた
俺の勝因は親と子を上手く利用した勝利だ
雪ウサギさんは恐らく賢い。
ならば、少なからず親と子による有利不利は頭にこべりついただろう
ならば、雪ウサギさんはどうくる?
…よし
俺は雪ウサギさんがカードを出してからおよそ1分。
しっかりと考えこみ答えを出した。
さて、結果は…
「両者カードが出揃いました!それではゲームを始めさせて頂きましょう。ゲーム名「決闘」本戦第1回戦スタートです!」
そう宣言したアンセムは身を乗り出して、俺らの前にあるカードを同時にOPENした。
フィスコ ♤A
雪ウサギ ♡3
クソっ…読み違えた
第1回戦・使用カード
フィスコ A
雪ウサギ 3
本作品は1話毎の文字数を決めずキリがいいなと思った所で切りますので長かったり短ったりします。
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