転生ゲーム⑯ 勇者と悪魔
「なぁあの結果。どういう事なの?」
「……ごめんなさい」
「ごめんじゃ…わかんないんだけど」
「…ここでは言わない方がいいと思うの」
「…それはそうだね。後で教えて」
「うん。…わかってる」
俺達は今不穏な空気のまま2人で廊下を歩いている
この空気の発端となってサプライズとやらの現状報告
あのたった10秒にもみたいな間の発表により
様々な事がわかった。その1つがピーチさんの裏切り行為
いや、裏切り行為とは言い過ぎなのかもしれない
だが、俺はお互いの現状は包み隠さず言う。そして、第3periodに限っては誰とも接触しないと約束しあったのだ
にも関わらずピーチさんは接触を1回以上したか…それとも
俺は俺で成果は、あまり無かったとはいえやる事はやっていた
その目を離した時間に俺の指示を無視したとなると
事の次第によっては……
俺達は男女の部屋が別れるT字路に辿り着いた
「19時に…食堂で会おう」
「…わかった」
俺はぶっきらぼうに
ピーチさんの顔を見ずに男女部屋の自室へと向かう
俺の頭の中は、ピーチさんへの信じたい気持ち
だが、無情なあの結果
ディーラーが嘘をつくとは思えないし
ピーチさんもそれを隠そうとはしていない
つまり、あの結果はピーチさんが意志をもって動いた結果だろう
となると、やはり明確な裏切り行為
ならば、仲間として切ればいいのか?
そうもいかない
あの結果発表で驚愕したのはもう1つ
2位が俺の事だとして
1位に10億円というスコアを叩き出したプレイヤーがいるという事
そして、そのプレイヤーこそイスラの言うプレイヤーなのだろう
いや、もちろんイスラが10億円のプレイヤーであるという事も捨てきれない。ヤツは俺の把握している限りで俺達との接触を含めて7回の接触をしている
それが仮に全部プラスに働いたとしたら+7億円
そこに第3periodでもう+3億円を実現していたとしたら計算上は合う
しかし…
イスラが俺達に同盟を求めてきて言ったこと
「このゲームを裏で操っている者」
それが本当にいるのだとしたら…
そして同じ様な事を雪ウサギさんも言っていた
そのプレイヤーこそ
【アウラ】という女性プレイヤー
身なりは何処ぞのお嬢様で、フィアーゲームについて俺よりは理解がある。そんなこのゲーム中で1番掴めないプレイヤーと言っても過言ではなくったまでになった謎多き人
だが、
そんな彼女だからこそ俺は第1period、第2periodでは注意深く観察して第3periodも横目ながらもアウラさんを追った
つまり、言える事は俺の目から見てアウラさんはそんなに沢山の接触はしていないという事が言える。
流石に10回もの接触をしていたらイスラのように目立つ
接触した時の音は意図的に無視しない限りはソチラを見てしまう位の音だからだ
ならば、1位の人物は少なくともアウラさんではない?
(だが、そんな簡単に結論づけてもいいのか?)
俺の推論から行くともっとも1位に近い人物はやはりイスラ
だが、そのイスラも第3periodに3回も接触を?
ヤツの謎の根拠が本当ならばありえるのか?
ここに来てイスラの事もチラチラと見ていたが目を離さなかったかと言われると見ていない時間も長かったと思える第3periodに後悔してくる
第3period。俺はミスったのか?
情報を得ようとしたが結局蓋を開ければ大した情報はナシ
挙句の果てに今悩むハメになっているし
その悩みを解決するにも情報が足りない
それに加えてピーチさんの事
俺は落ち込む
これがフィアーゲームなのかと
俺なんかが意気込んだって人っ子1人勝利に導けない所か
意図に反する事をされてしまう
攻勢に出ようにも周りで何が起こっているのかも分からず
ただただ悩むばかり
俺は項垂れながら部屋に辿り着いた
そして、ドアを開ける
そして、一直線にベッドへと倒れ込む
(何がゲームなら誰にも負けないだよ。……そうか)
そう。俺は今自分が全くゲームについて行けてないと悟り
ベッドに突っした
そう。俺は今置いていかれている
そして、もしも1位がイスラではないとして
今から黒幕Xと名付ける者がいてその者だった場合
次に落とされるのは2位の俺ではないのだろうか
そう。もしかするとイスラ
そして、雪ウサギさんは黒幕Xに既に落とされている?
ならば、1位にまで成り上がった手法は謎ではあるものの
俺の上にイスラが恐らくいなくて
雪ウサギさんが全く活躍せずに影に身を潜めているのも納得はいく
そう。納得はいくだけで
俺はやはり、何もわかっていないのだ
「はぁ~」
俺はため息をつく
そして、枕元にあった目覚まし時計を30分後にセットする
そして、目を瞑る
こんな時は1度寝て頭をリセットするに限る
俺は目を瞑り
意識を手放すべく脱力した
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ディアボロスside
「頃合かな?」
「何と声を掛ける気だ?あのゲームが何もわかっていないプレイヤーに」
俺は席を立った気に食わぬ顔で
何処までもいけ好かない周りはライバルと呼ぶプレイヤーに視線を向けずに声を掛ける
「ああ。僕の見初めた子供に勝利への道を示して上げるなら今が1番だと思うからね」
俺のこの世で1番嫌いなプレイヤーは堂々と言ってのける
「どこを見てヤツを評価しているんだ?どう考えても俺の女の方が優秀だろう」
俺とコイツには己と違った見方をする2人のプレイヤーがいる
俺はこの男は嫌いだが実力は認めている
そんな男が俺の見方と真逆の評価をするのが許せない
俺は1日目終了の時間となり代わり映えしない会場よ風景となった画面から目を離した
件の男を横目に見る
そして、俺は見た事を後悔し「チッ」舌打ちする
「ディアボロス。キミはあの子を評価しないだろうって事は分かっている。君と彼は違うからね。そして導き方が違うだけで、君の強さに近づける様な才覚も持っている。しかし、彼は君の実力には届かない。決してね。」
俺が何度も煮え湯を飲まされた敵
そして生涯のライバルは
「だが、僕の見方は違う。君から見れば非凡でも僕から見れば原石だ」
客観的に見ればとても良い笑顔で
俺にとってはイラつく対象でしかない笑顔で宣う
「ヤツがお前と同じ様な戦法を身につけお前や俺に並ぶと?」
「いや、僕と彼も違う。だが、僕の教えを頭に入れた上で自分を貫いた戦い方を熟知したら彼は僕や君。そう勇者や悪魔をそして創造主を倒すまでに至ると思っている」
(は?俺やコイツに勝つ?それにあのジジィにも勝つだと?)
「…ありえないな」
「そう思うのは勝手だけど、人の事は言えないんじゃない?」
コイツ…
俺は言いたい事が分かってムカついた
「彼女を見つけた時嬉しそうだったし、あんなに怒ったじゃないか君」
「違う。あれは周りがうるさかったからだ」
「その後に僕と違って並み居る有力者の中から彼女を多額のお金で落としたのは誰かな?」
「…黙れ貴様」
「フッ。ごめんよ。怒らせるつもりは無かったんだ」
本当にムカつく
この周りが神の様な笑だと言う表情を一切崩さない男がやはり何度も思うが嫌いだ
「とにかく見ておくといい。僕の子は。ここから目が離せなくなるよ」
「フン。どうだか…。期待はしていないが俺の見込んだヤツもいるんだぞ?」
「お互いこれからに期待しよう」
「俺はしないと言っている」
俺の言葉を受けて足音と共に遠ざかる気配がする
どうやら本当にやるつもりみたいだ
「チッ」
俺はヤツの…勇者こと【スバル】という名の最強プレイヤーの一角と呼ばれるプレイヤー
その男に看過された訳ではないが自分の子の1人に言う事ができたので席を立った
この男の名は。悪魔。この悪魔の囁きが子のためになるのかは分からない。それはその子共達次第
だが、それは
2人の光景を見ていた棘のある花に言わせれば
上手く活用するだろうとの事
この新人歓迎会なるゲーム【転生ゲーム】は親の手腕も試されるゲームであるという側面もあるのだがフィスコ達がどうこうすることは出来ない
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フィスコside
プルルルルプルルルル
「んっ…」
俺は事前に掛けていた目覚ましではなく
部屋に備え付けられていた固定電話が鳴りそれに起こされる
(……出ない理由は…ないか)
俺は思考を回転させる
だが、出て不都合より
出ないで不都合の方がリスクが高いだろう
あの時の…で痛手を負ったら目も当てられない
俺は受話器をとった
「もしもし」
「こんばんわ。フィスコ君」
っ!
(意外だったな…)
予想とは異なる人物に俺は驚く
ここで、ゲーム参加者以外からの電話は想定していなかった
「スバル…さんですか?」
「そうだよ。どう?ゲームを楽しんでる?」
俺の親と名乗り
このゲームに陥れた元凶
「電話してきたということは色々説明してもらえるんですよね?」
これまでの話を1つの話にまとめる可能性があります
なので、話数がズレる可能性があります
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