転生ゲーム⑮ BADサプライズ
「フーっ」
俺は息を吐いた
アウラさんとの会話に気を張りすぎて疲れた
そして、あまり情報を得られなかった自分に呆れる
オレは喉が乾いたので、BARにきていた
「おかわり」
無言で飲み干したコップに飲んでいた物と同じものを注いでくれる
ガチムチマッチョの黒人サングラス(坊主)
俺はぼんやりとゲーム会場を見ていた
早々に部屋から出てきて別のプレイヤーと話すアウラさん
何やら1VS1で話しているイスラ
そして、姿が見えない雪ウサギさん
そして、、
ソファーにどっかりと座り
俺と同じ様に視線を彷徨わせるジャバウォック
(そう言えばコイツ目立った動きがなくなったな…)
最初は俺に突っかかってきて
俺のチームをぶっ壊したヤツだ
何か動いているかもしれないが
その様子は見られない
(何か考えているのか…?)
なんともジャバウォックには話しかけずらい
何か確証があれば躊躇はしないが、何もしてないのか?
などと聞いてもまともに返答がくるとは思えない
俺はその事にもため息を吐く
そして、そんなジャバウォックにアウラさんは話しかけられている
そして、どうも会話が成立しているみたいだ
素直に凄いと思うが……いや、待てよ
アウラさんとジャバウォックが組んでいる可能性は?
それならジャバウォックが邪険にしないのも分かる
いや、しかし憶測にすぎない
何の根拠もない。強いて上げるなら会話が成立しているのはアウラさんとだけっと言うもの
アウラさんは本当に全プレイヤーと話している
強いて言うなら雪ウサギさん次いで俺とあまり話していない?
くらいだ
そんな、雪ウサギさんはアウラさんを疑っているみたいだし
雪ウサギさんはあまり語りたがらないので凄く不思議という訳でも無い
「うむ。わからん」
俺はとりあえず諦めた
アウラさんとの会話でゲームに関して得るものは特に無かったのだから考えようがない
俺は切り替えた
そして、審判の部屋に注視する
2回目の審判の部屋の時間とあって多くのプレイヤーが確認しに入り時間がかかっている
(そういえばピーチさんは?)
アウラさんとの会話で余裕が無かった俺は見かけないピーチさんを思い出した
俺は軽く見渡して見たが見つからない
(2階かな?)
俺達がよくいた場所は2階だ
なら、そこが1番可能性が高い
その考えに基づき俺は移動を開始した
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俺は2階への階段を上がり
ピーチさんを見つけて足を止めた
声はまだ掛けていない
何故なら、
「私の判断だけでは…フィスコさんにそうだんしないと…」
「さっきも伝えた通り、あまり余裕はないって事は理解しておくんだね」
先客がいたためだ
何を話しているのか聞こえないが
ピーチさんと一緒に話していたのは【イスラ】だった
「私は「話はまた今度にしよう。君のナイトのご帰還だ」」
「あ、フィスコ…さん」
イスラは俺が階段を上がってきた事に気づいていたようだ
(一筋縄ではいかないな)
俺はイスラのスキのなさを流石だと客観的に褒める
そんなことよりもだ、
何故イスラとピーチさんが話を?
(これは簡単には見過ごせないな)
俺は2人に近づいていく
「やぁ。偵察は上手くいったかい?」
「そこそこです」
「そう。今は行くけど重要な事は共有してね。じゃあ僕はコレで」
「あぁ、またな」
俺はいとも容易くイスラを見送る
「…止めないのかい?」
案の定、イスラは俺を伺ってくる
「止めませんよ」
それに俺は迷いなく答える
「だって」
本気で何かを知りたいなら
「何故なら」
イスラはむしろ邪魔だ
「イスラ。君がいるよりもピーチさん1人を問い詰める方が」
ピーチさん一人の方が、
断然に
「楽だ」
俺の言葉にイスラは何も言わず
ピーチさんは固唾を飲んだ
「そう。じゃあ僕は行くよ」
「あぁ」
イスラは歩き出す
だが、思い直したように立ち止まる
「やっぱり一つだけ言わせて欲しい」
「……なに?」
俺はイスラが何を言おうと信用しないが
とりあえず聞くことにした
「僕はともかく。ピーチはフィスコを裏切ってないよ」
「…それは俺が判断する」
「そうだね。ただ、僕の都合もあるが、フィスコがこれから勝つ為にピーチの事だけは3人の為に信じてあげて欲しいな」
信用しない。信用はしないが…
気にはなる
「俺がピーチさんを信じなかったらこの先のゲームどうなるって言うんだ?」
「そうだね。まず、僕等3人は勝てない所かマイナスになる可能性大だね。フィスコの最善手は喋った事もないような信用もクソもないプレイヤーとみんなの前で接触して神か死神と接触してマイナス1億に抑える事かな。誰とも接触しないで1period終えるのは禁止というルールでマイナス3億円を食らうならマイナス1億に抑えるよう努力すべきだからね」
「どうしてそうなる?信用できる者がいなくなるというのは、痛手だがそもそもそれが普通。俺は勝利に1番近い選択を取っているだけで甘えているわけじゃないぞ?みんなと同じ条件になるだけでやりようはあるだろ」
「あぁ。その通りだ。普通はね」
「普通?」
「そう。コレが第1period…いや、もうその時点ではもう手遅れだったのかもしれないが」
なんだ?イスラは何を言っているんだ?
「このゲームはプレイヤーによって。それも恐らく1人のプレイヤーによって支配されているかもしれない」
支配だと?
俺を惑わす作戦?
このゲームそれほど特段おかしな事はないはず…
いや、そうか!?
俺は1Fを見下ろしある人物を探す
そして見つける
俺の探し人である第2period終了時点で絶望していた男だ
その男は落ち着き払ってBARなマスターと軽い談笑をしていた
そうだ。俺は勘違いしていたのだ
「そうか。このゲームおかしいのか」
「気づいたかい?」
「あぁ。イスラが言いたいのはこういう事だろ?」
このゲームは確かにおかしい
何がって上げたらキリがない
だが、あえて一言で上げるのなら
「ゲームが普通に進みすぎている…」
「そう。それが謎の始まりだ」
何故気づかなかったのか?そして、これが作為的な物だと?
イスラが言いたくて
俺が思い至った違和感は普通この手の騙し合いゲームはいざこざが起きる
第1periodにジャバウォックが俺達に突っかかてきて少し険悪になったのが本来の姿なのだ
だが、ジャバウォックっと俺のいざこざ以降に第3periodの現時点までで騒ぎは起きていない
強いて上げるなら俺が様子を確認した男がいい年齢にも関わらず泣きじゃくった位
それも今ではどうだ?
彼は目を腫らしながらも絶望感が漂っている訳ではない
「イスラ。お前の言いたいことはわかった。でも、本当に裏で操っていると思うのか?このゲームで操るとなると相当な人心掌握術が必要で常にリスクが付きまとうぞ」
「あぁ。僕もそう思っていたよ。だが、確信に変わる出来事があった」
「何があったんだ?」
「どう考えても作為的な攻撃が僕にきたのさ。それも単独犯とは思えないようなね」
作為的な攻撃?
つまりハメられたといえ事か?
「詳しくは…教えられない。今の僕の状況包み隠さずに教える事と同義だからね」
「…そうか」
凄まじく気になるが、気づかせてくれるきっかけをくれたイスラには感謝しよう
言葉を信用仕切る訳ではないが、納得がいってしまった俺は流されやすいのだろうかと思うのだが
理屈も俺の1度覚えた違和感も真実
ならば、頭に入れておくのは悪い事じゃない
それにしてもだ
「その話をピーチさんと?繋がらないんだが」
「…それは。僕の口からは言わない。君達で解決するといい」
そういう…答えか
俺はチラリとピーチさんを見る
ピーチさんは俯きがちに動揺している
ビッーーー!とブザーがなる
「第3period。最終時間が始まります」
どうやら全員が審判の部屋に入り終わりゲームが再開したようだ
「ゲームが再開したようだね。僕はやらなければならない事があるから行くね」
「ちょっと待て!まだ聞きたい事が!」
「……急いでるんだけどな。でも、いいよ1つだけ」
1つだけ、か
ならば、これだ
「その裏で操ってる人物の検討は?」
俺は質問を投げつける
この質問なら雪ウサギさんや俺の考えや他プレイヤーと同じ様な話になった時にすり合わせができる
「アウラ」
っ!?
イスラの口からもアウラさんが出てくるのか
「……だとは、思ってる。だけど確信はない。もしかしたらウサギちゃんかもしれないし正直に言うとフィスコの可能性だって捨ててない」
俺の…可能性か
まぁイスラからすれば当然だよな
俺だってイスラを疑っている
でもむぁ
結局は雪ウサギさんと同じ回答か…
俺は進まぬ推理に頭を悩ませる
俺は気持ちを落ち着かせるために深い深呼吸を入れてリセットする
ん?そう言えばイスラ、雪ウサギさんの事ウサギちゃんって言った?
いや…うん。まぁどうでもいいか
俺は気にはなったものの、この空気では聞けないし聞く気もない事を思い。どうでもいい事を考えられる状態になれた自分を褒める
「僕はもう行くけど最後に…フィスコにとって。そして僕にとってのこのゲームの最悪のプランを教えて上げよう」
「最悪のプラン?」
「ああ。まぁフィスコなら気づくと思うし気づいているかもしれないけど一応ね」
このゲームで1番悪いパターン?
心当たりを思い浮かべイスラの言葉を待つ
「1番悪いパターンというのは「誰からも接触されなくなる事だ」
そして、それが第4periodから始まったらフィスコの場合は-9億円。それ以上に稼いでいるなら見事だが僕の目から見てフィスコはそんな大体な動きはしていないから有り得ないとしてもマイナスになるだろ?」
まぁその通りだ
俺の賞金は+4億円。そんな事が起きれば思いっきし赤字だ
だが、
「それが…起きると?」
「…僕は起きると思うよ。恐らく有力かつ目立っているプレイヤー
僕やフィスコそれに着きそうピーチは格好の対象だろうね」
……もちろん可能性は考えていた
ピーチさんという協力者がいて稼いでいる俺は真っ先に狙う口実を付ける事は容易い
だが、それは…
いや、そうか
今俺は思った
俺はピーチさんがいれば-3億円をくらい続ける事はない
少なくとも相当運が悪くなければ3回連続死者にはならないし
俺達2人は+4億円で蓄えはある
1回は-3億円を耐えられるし-になっても信頼関係さえあれば
恐らくピーチさんとは今後も一緒にいるだろうし金銭の貸し借り
又はこのゲームにおいてお互い-を補填し合うという契約でも交わせばいい
だが、
だがだ、
その信頼は崩れさりかけているのだ
イスラとピーチさんが密会していたという事実への俺の猜疑心によって
「気がついた?話は繋がってたろ?」
イスラが得意気に
だが、何処か今の状況に落ち込んでいるように
「フィスコにとってピーチは信頼し守らなければならない。そして、信じて貰わなければならない関係だ。言わばピーチ姫を守るフィスコナイトつまりはマリオ。2人には愛し合う2人のような信頼関係が求められるってわけだ。そこについでに、哀れなルイージである僕にも手を貸して欲しい所ではあるね」
とりあえず、ピーチさんを問い詰めて
どうするか決めようと思っていたが…
どうもきな臭いな
そんな俺を他所に
「とにかく僕はこれで。また話そう必ず」
「あ、あぁ」
俺はイスラの言葉に生返事を返す
俺はこのゲームの奥深さに疲労感を感じていた
そして、何処か昂りを感じていた
それは、イスラも同じで
この会場にいる別で動いているプレイヤーの中にも同じ昂りを感じている者がいた
個人個人でその昂りを自覚しているのかしていないのかは千差万別だが
少なくともフィスコはまだ自覚していなかった
そして、時は流れて
第3periodの終了時間
第3period。このゲームにおいて1番ゲームが動いたperiod
そしてそこでプレイヤー達が考え、動いた結果が
「第3period結果発表です。結果は人間16名死者2名となりました」
と、特に一見普通に終わった
この結果を完全に把握できているプレイヤーは…
それはフィスコには分からない事であった
「そして、これにて1日目のゲームを終了とさせて頂きます。
なおここで、皆様にサプライズです。初めてのゲームながら健闘されているプレイヤーの皆様に本ゲームの製作者ヨハネ様よりささやかながらのプレゼントです」
そしてどうやらゲームはもう少し続くらしい。
これは実は本来のルール通り。言うなればこの「転生ゲーム」ら新人お披露目会
新人の対応力を見るためにあえて製作者が隠しておいたルール
大体の世代では有効に使われるものなのだが…
「1番稼いでいるプレイヤー。そしてその次に稼いでいるプレイヤーを名前を伏せて金額のみ発表します」
フィスコ達には関係ないが
客観的に。つまり、製作者やこのゲームを色々な立場から全てを把握した上で見ている者達にとっては大変面白く興味を引くものになった
ここまで余計なサプライズになる事は稀なのだ
「1位のプレイヤーは+10億円で単独トップ。2位のプレイヤーは+4億円で単独となっております。皆さまこの情報を元に明日のゲームも頑張って下さい」
ブツん
映像が消えるとすぐにゾロゾロと動きだすプレイヤー達
しかし、映像が消えても即座に動き出さず立ち尽くすものがいた
それはこのサプライズによって多大なる被害を受けたプレイヤー達
他の言い方をすれば、2日目に更に激しい戦いをする者達であった
フィスコもその1人である
フィスコの頭をいっぱいにしている事は
(…聞いてないぞ?何故俺が単独で2位なんだ?)
ピーチさんへの疑念が深まるばかりであった
現在の状況
フィスコ +4億円
プレイヤー? +10億円
他プレイヤー ?




