転生ゲーム⑪ 同盟
「これからどうするの?フィスコ君」
ピーチさんが俺に問うてくる
「次の行動は決めてるよ。その前にピーチさんの状態は?」
ジャバウォックとの口争の後、みな自然と散り散りになり俺達2人の周りには誰もいない
そして、この場所は俺達のいた2Fのソファー
盗み聞きされるような心配はないので今の状態を言っても問題ないだろう
「私は神だったよ」
「そっか。俺は死神だったから他のプレイヤーと接触する事になんだけど…」
「それで?どうするの?これから」
「このピリオドは雪…」
俺は今後の方針を伝えようと発声している最中に階段を登ってくる足音を察知し言葉を止めた
「誰?」
「え?」
俺の問いかけでピーチさんも気がついた様で階段に目線を向ける
「どうも。少しお話よろしいですか?」
階段を登ってきたプレイヤーは︰イスラ︰だった
「何のようだ?イスラ…さん」
「無理にMr.(さん)なんて付けなくても構わないよ。対等な関係でいこうフィスコ」
本当に何の用だ?飄々(ひょうひょう)とした態度で俺達の座っているソファーの位置にまできたイスラは俺を見下げる
「対面に座ってもいいかな?」
「…どうぞ」
「失礼」
そう言うとイスラは俺の対面にある椅子に腰掛ける
「何の用です?」
「端的に言うと、手を組みたい。僕達2人で手を組まないか?」
もしかして、とは思っていたが…やはり、そういう事か
「あーもちろん。ピーチだっけ?君も一緒にだ。フィスコと一緒に君が着いてくる事はわかっているよ」
「どうして俺に話を持ちかけたんだ?」
俺は少しでも情報を聞き出す様に動く事にした
「君が賢いからだ。チームを作るのは皆が第1に思いつく作戦だろうが実行するってのは中々難しい。俺の見た限りお前ら全員+になったんだろ?ジャバウォックもそう思ったから君らに攻撃してきた。
やるよね彼。辞めるように言うのは簡単だが目立ちすぎる。
そして、それなりの頭を見せた者は何か企んでいるのでは?っと警戒される。それを承知の上か知らずか。とにかく第1period終了という早い段階でチームを潰されたのは意外だったんじゃない?」
「まぁな」
イスラの言う通りだ。後2回ないしせめて1回は取りたかった所だ
こんなに早い段階で?っと驚いたのも事実
「お前も儲けたんじゃないか?何せ3回も接触してたじゃないか」
そう。この男はこのゲームの序盤で中々出来ない事をやってのけた
1ピリオド内に3回の接触
つまり、人間ないし死神で1度人になり
その後2人の神と接触しボーナスを得た事になる
まぁもちろん。死亡してなかったらの話だが
「信用してもらいたいから正直な話。僕の今の賞金は3億円と死亡者2人分の山分け報酬だ。僕は皆が注目していた接触3連発を最良の形で終えている」
まぁしてなくてもそう言うだろうから信じないが…
嘘には見えない所か限りなく本当に見える
「どうしてそんな事ができたんだ?」
「フッ。僕の自慢できる能力のおかげさ。コレは君への交渉材料にもなりえる」
「交渉材料?」
「そう。この力を君の勝利ないし僕の勝利に使うという事さ」
「で、その能力とは?」
「僕は人の嘘がわかる」
……しょっぼ
いや、百発百中で嘘か真実かわかるというなら凄い
だが、そんなものありえない
そして、その嘘を見破る能力なら俺もある程度は自信がある
それを武器にされてもっという感じなのだが
イスラは言う
「大方、何を言ってるんだと思っているのだろうね」
「そうだな」
俺は正直に言った
「だが、考えてみたまえよ。僕は現に3連発で接触しているんだよ
彼等とは初対面で面識なんてない。その状態から天使を3人見つけ出した。「君は神?死神?」という簡単な質問だけでね」
「…信じられないな」
「僕等は既にチームを解散している。これから関わる事もあるだろうが今の所予定はない。なんなら確認してくるといい。顔はわかるね?」
「わ、私が確認してきましょうか?」
ピーチさんがオズオズと気を使ってくれる
「いや、必要ない。予め言う事を統一しているかもしれない
その機会は幾らでもあっただろうし何の意味も持たない」
「フィスコからすればその通りだね。だが、僕はそんな事言ってないし全て事実だ」
ふむ。この溝は埋まらないな
俺はイスラを信用しないし、アッチもそんな事はわかっている
なら、さっさと他の話をした方がいい
「俺の事を過小評価しているという事はわかった
だが、何故俺に声をかけた?そのままチームでやればいいだろう」
俺に声をかける意味がわからないのだ
実力を感じているのなら尚更。もしくはカモにするのを狙っているのではっと警戒するくらいだ
「答えは簡単だ。彼等はチームじゃない」
「何?なら、何故あんな早い段階で接触を?」
「それは、俺の嘘を見破る力と話術のたわものさ」
「……」
これは…事実なのか?
イスラの表情はコロコロ変わる。色々な情報を拾うが信じきれない
(やっかいな…)
どうやら俺の嘘を見抜く力は大した事ないようだ
となると、イスラが俺の立場だったら見破れるのか?
「…いいだろう。俺のメリットを話せ」
「ほぅ。決断が早いね。もっと僕を尋問しなくてもいいのかい?」
「どんな策を用意してきてるのか知らないが話に乗ってみるのも一興かなっと思ったんだよ」
「それは嬉しい事だね」
俺達は表面上ニコニコ会話しながらも
少なくとも俺の内心は敵対心バッチバチ
他で動かれる位なら、そして他の知恵者がどんな提案をしてくるのか気になったから提案を受ける気になった
ただし、
「言っておくが。俺は裏切るぞ?俺とピーチさんに少しでも不利益になると思ったら」
俺はあえて正直に釘を打った
「ああ。構わない。ただ、僕もあえて言おう。僕は僕の事を優先する」
ここに、俺達の全くもってお互いを信用していない同盟は成立した
「で、お前は俺に何をもたらしてくれるんだ?」
「これからの勝利を」
「よろしく頼む」
「こちらこそ」




