閑話② の
俺は捨てられた
事実だけ拾うと。その一言で済むのだが
実際はかなりの長文だった
内容は
「ユウジへ
まず、こんな不甲斐ない両親でごめんなさい。
結論から言うと私達はアナタから距離をおく決断をしました
彩菜は最後まで反対しましたが、私達がもう耐えられませんでした
もう一度謝らせて下さい。ごめんなさい
アナタの心を壊してしまった事は悔いても悔いきれません
私達はアナタの幸せを願っていると同時に疲れてしまいました
勝手な判断、本当にごめんなさい」
冒頭は謝罪ばかりの文で始まる
「ハハ…」
笑いが零れる
何故だかわからない
そして同時に
涙も零れた
俺の頭は真っ白になった
俺は項垂れた
手紙の続きなど読む気にはなれなかった
俺はベットに倒れ込みボッサーっとした
そして、睡眠に入った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして俺は覚醒する
俺は覚醒する意識の最中
夢であります様にっと願った
だが、現実とは残酷で
放っておいたせいもありクシャクシャになった両親からの手紙が落ちていた
俺はため息をついた
そして俺は、ボーッとする
だが、人間ボーッとし続けるにも限界がある
俺は徐に気持ちの整理がついた訳では無いが
1度寝た事で落ち着いたので取り敢えず続きを読む事にした
「これからアナタは1人で生きていく事になります
私達は2年間アナタに自由を与える為に尽くしてきましたが
もう、私達は一切関与しません。親戚を頼る事もやめてください
全員に話は通してあります」
頼れる親戚なんていないけどな…
それでは、俺はどうすればいいのか?それは続きに書いてある
「到底足りはしませんが。私達の最大限の最後の罪滅ぼしとして
リビングの机の上に100万円置いてあります。自由に使って下さい
アナタに預けてあるクレジットカードは使えなくしました
この、100万円が私達からの最後贈り物だと思って下さい」
クレジットカードは使えなくなり
手持ちは置いてあるという100万円とリハーサルで勝った時の賞金
合計130万円。これだけあれば半年は少なくとも生きられると思うが
どうなんだろう。親の脛を齧っていた俺には正確な計算はできない
続きを読む
「尚、アナタが今いるであろう
私達の家は引き渡す事になっています。勝手ながら荷物を纏めて去って下さい。期限は2週間程あります。」
これが、かなり問題だな…
2週間後から俺は宿無しか
ホテルに泊まるにしても
そんなバカスカお金を使っていたらどうなる事か
「アパートでも見つけて、まずはアルバイトからでもいいので就職を頑張って下さい。心より応援しています」
母さんの言うようにこれが現実的
だが、できるのかって言うと問題もある
「この手紙を最後にアナタと関わる気は私達にはありません
強く生きて下さい。私達を許してとはいいません。
ですが、私達は何度でも謝ります。ごめんなさい。
生みの親より」
生みの親っか…
母よりじゃないんだな
最後の1文
これを読んだ瞬間にジワッと目頭が熱くなった
そして自覚した時には止まらなかった
俺の頬を涙がとめどなくつたう
俺は丁寧に手紙を折り机に置いて
ベットの枕を涙で濡らした