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フィアーゲーム  作者: ユートピア
Reプロローグ
15/40

閑話① 終わり

ここから4話は実質プロローグみたいな話です

ゲームはありません。ある程度読み飛ばしてもらっても大丈夫です

俺は家に帰ってきて


すぐに不貞寝した

そして、時刻は夕方


「ねぇ…大丈夫なの…ユウジ」


2年前と変わらぬ様子を伺うかの様な弱々しい声

俺はそれを無視した


「ご飯。置いとくから食べてね」


朝ご飯や昼ご飯も置いておいてくれたのだろうか?

寝ていたので食べなかっただけなのたが心配したのかもしれない


俺はドアの前から気配が消えたのを確認してから

晩ご飯を部屋に引き入れ完食して、部屋の前に出した



俺は、戻ってきた。もどってきてしまったこの生活に


自堕落で何の生産性も産まぬ居心地悪い空間へ


だが、俺にはどうする事もできない

どうすればいいのか。これから何をすればいいのか分からない


このまま俺はこの生活が続いていくなのだろう



……


………


そう思っていた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


実際

3週間位はその生活が続いた


だが、変化が訪れた

母と妹が俺に話かけてきたのだ


「お…お兄ちゃん?ちょっとリビングで話さない?」


何を話すっていうんだよ

そんなおっかなびっくり言われてもマトモに話せるとは思えない


「お願い。ユウジ。1度キチンと話ましょ?」


母さんまで

一体何の心境の変化だよ


いや、察しはつく

あのゲームだ。恐らく少なくとも家族は全員俺が何処で何をしていたか知っている


つまり、俺は周知の上であそこへ送り出されたわけだ


だから、俺は今何処へ行っていたのか1度も聞かれていないのではないだろうか


いや、もちろん。それ以外の会話も無いので

ただ単に聞きたいけど聞けていないのかもしれない


だが、それだと俺はこの部屋で拉致されたのは間違いないはず

それならば、誰も気づかないのか?という話だ


プロならばという解釈もできるが

そるを考えるよりは、予め示し合わせていたと言うのが自然だ


だから俺は十中八九知っていた思う


そんな家族と


「話す事なんてない」


対話を拒否する

2年もまともに交流の無かった


半分、食事を提供してくれるWiFiを飛ばすATM的存在のこの家

そして、俺を躊躇なく拉致させる様な奴らと話す事なんてない


俺自身この2年間の間で和解したいという気持ちに関しては

もう、随分昔に消え去ってしまっているのだから


「お願い!お兄ちゃん!話を聞いて!最後のチャンスかもしれないの!」


最後のチャンス?

遅いよ。最後のチャンスはもあ2年前に彩菜に謝罪を拒否さるた時点で終わっているんだよ


「出てきてユウジ。お願い」


もう遅いんだよ。母さん

もう母さんの目を見て話す事は出来ない


俺の頼んだものを部屋の前に置いておいてくれる

何も言わずに俺が通販で頼んだものを無言で部屋の前に置いておいてくれる


そんな、尽くしてくれた母に俺はもう家族として対等に話せない


「頼むから!もういいから放っておいてくれ!」


強く言うつもりは無かった

だが、どうしても強い語尾になってしまう


「…ごめんなさい。ホントにごめんなさい」


母の声が聞こえると足音が聞こえる

母の声は涙声だった。恐らく自分の部屋かリビングに向かう途中

泣いている事だろう


「お兄ちゃん…お願い。出てきて?仲直りしたいの」


母は立ち去った様だが、彩菜はまだドアの前にいるようだ


「無理だよ。今更」


俺は迷うこと無く告げる


「まだ間に合う。今からでもあの頃みたいに「無理だってば!」」


俺は彩菜が言葉を言い終わる前に被せて妹に怒鳴りつける


「遅いんだよ…2年前謝っただろ?その時俺を許さなかった

あの時がラストチャンスだったんだよ」


俺の目頭が熱くなる

俺だって元に戻りたかったんだ


「あの頃は、私も子供だったから…」


いや、違う


「あぁ…そうだね。でも、今もだよね

俺の事を内心では怖がってる。中学生の頃の彩菜にはよっぽどのトラウマを植え付けちゃったんだろうね」


彩菜に関しては申し訳ないと思っている

何も関係ないのに。彩菜は何もしていないのに


家庭環境を俺がぶち壊してしまった

この2年間は苦痛だったろう


彩菜は多分俺よりはマシかもしれないがプレッシャーをかけられれているだろうし。何よりも食卓は毎日重苦しいのだろう


コッソリとどうしてもトイレに行きたくなっとついでな

食卓の様子が気になり聞き耳を何度か建てた


俺は、あの日の夜の前の様に笑い声が食卓から聞こえた事が1度もない。つまり、そういう事なんだろう


「ごめんな。彩菜」


俺は謝った

謝らずにはいられなかった。


「ウッ…グスン」


彩菜は泣き始めた


「仲直りは…あの頃に戻るのは無理。みんなも何より俺も変わってしまったから」


俺はそれから何も言わなかった


妹がドアの前ですすり泣く声が耳に入り続けた

俺はイヤホンを付ける事も考えたが、妹の泣き声を聞き続けた


これから逃げてはいけないと、何故か思ったから





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ひとしきり泣いた彩菜は

どうやら扉の前からいなくなった様だ。足音が聞こえる


俺がため息を吐き

ベットに寝っ転がってボケーっとしていると


足音が近づいてきた


「これ。私の電話番号とメールアドレス」


そう言うと彩菜は


ドアの下の指も入らぬ紙1枚がすり抜けられる小さな隙間から


電話番号とメアドが書かれたメモ用紙を差し入れてきた


「じゃあ…元気でね」


妹はそう言うと今度こそ立ち去った


元気でいられるわけないじゃん…

俺はそう心の中で呟いた


だが、俺は間違えていた

妹の真意を知るのは明日の朝になる



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「マジか…」


朝起きていつものように朝ご飯を部屋に引き込もうとした


朝ご飯自体はいつもの様にあったのだが

もう1つある物が置いてあった


折りたたまれた紙である


俺は考えなしに紙を開いた

そこには字が描かれていた


読んでいくにつれて自然に出た言葉が「マジか」である


結論をシンプルにまとめると


俺は両親に捨てられた

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