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フィアーゲーム  作者: ユートピア
決闘(デュエル) 編
10/40

決闘 ⑨ コミュニケーション術

「ボルシチって確かロシア料理だよね」

「そう」


これくらいの知識はある

ソースはチュウチュウ吸うアニメ


後ロシアと言えばピロシキ

ソースはフィギュアスケートのアニメ


「ボルシチってどんな料理なの?」


人との会話においてその人の好きな物について説明させるという手は非常に有効な手


内気な子でも話しやすく。こちらは相槌を打ちながら適度に質問すれば相手が勝手に喋るので会話に困ったらコレ


話の中に次の話の種が転がっている事もあるので耳をよぬ傾けておく


「簡単に言えばトマトスープ。地域によって具が違ってバリエーションは凄くある」


「へぇー赤い理由ってトマトなんだね」


「うん」


「具って例えばどんなのがあるの?」


「豚肉とかチャシューを入れたりもする。野菜もキャベツとか他にもビートって言う野菜とか」


「へぇー聞いた事ないな。ビートってどんな野菜なの?」


「ビートはー」


とまぁこんな風に会話していけば時間は潰せるし

その人とも友情が芽生える可能性は充分ある


そして、こういう何気ない会話で見えて来るものや情報がある


俺は喋りながらその情報を整理する


雪ウサギさんは内気な喋りたがり

喋る事がなければ喋らないが、話すのが苦手でもない


内気には大きく3種類ある


1自分から喋りたいんだけど喋れない(1番多い)


2必要がなければ喋らない。無言の空間を苦に思わない(雪ウサギ)


3喋りたくない。人とのコミュニケーションが嫌


この3パターンだが、アプローチの仕方が全然違うし

このどれかは「好きな食べ物は?」と聞けば何となくわかる


人とのコミュニケーションはこの判断をした上で質問だけで充分に成り立つ


そして、こうやって質問していれば3のパータンの人以外だと


「あなたは?今何歳なの?」


と、質問を振られる


話の流れは

ボルシチの話→よく叔母が作ってくれた→学校の給食でも出る

→学校の話→年の話→現在


人は自分ばっかりが話していて相槌をしてくれている相手に対して不安感を覚える。そして、逆にその内質問してくる場合が多々ある。


たまに、お喋りな人で気にせずマシンガントークをする人もいるが、そういう人は「俺も!」と同意すれば気を良くしてペラペラまた喋り出す


それは置いといて、内気であんまり喋りなれていない子は質問してくる。そして、そんな時はあまり考えずに


「今年の2月14日で19歳になった」


素直に答える


年を尋ねられた時は誕生日も一緒に言うと効率がいい

人は共感を求める生物である


例えば

年が一緒が最大のパターンだが

「アタシも2月なの!」とか「アタシも14日!」とかの反応をしてくる場合がある


その時はそうだね!と返すだけで人は勝手に好感度を上げてくれる


時には

「おしい!アタシ15日」とか「アタシ3月!近いね!」とか


「別におしくねぇだろ!」と思う事を言ってくる時もあるのだが


我慢して「すげー偶然だな!」と言っとけば仲良くなれる


年が離れてそうな相手には干支を使ったりもできるし使い方のバリエーションは多い


「奇遇ね。アタシも19歳よ」

「凄い偶然!」


俺は教科書通りの回答をする


そして、また話は続く


そして、この場が商談や会議をしている時。

そして今の俺の状況の様に緊迫した中で


分岐点が訪れる


1このまま仲良くする。そして、少しずつ情報を広い続ける

日常生活ではこっちが最適


2いきなり確信的な質問をする。

相手に下に見られては商談や会議なんて上手く行きやしない

そして、こんなゲームなら尚更だ。


俺は今から会話をぶった斬って2を選択する。


この流れで人に質問するとどうなるか?


「それでねその後「ねぇ。1つ質問いいかな?」」


俺は雪ウサギさんの話を切る


「何かしら?」


「雪ウサギさんて。もしかしてこのゲームの事知ってる?」

「……」


大抵の人は黙り込む

もしくはー「えーっと」とか「そうだね…」とか言う言葉で時間稼ぎする


だが、この後は


「…ごめんなさい。言えない」

「そっか」


正直に言うorこうやって話さないのどちらか


楽しい雰囲気をぶった切っての手前

嘘をつく人は少数というのが経験則である


経験上は自分に害がでない。もしくは少なければ言うし

言えない場合は、本当に機密事項か言えない理由がある


この場合は恐らく

そしてこの答えは…


「ねぇアンセム」

「このゲームって機密扱いだよね?」

「あぁそうだね。帰りに君には誓約書を書いてもらう。

このゲームの事は口外しない。した場合は罰金1億円とね」


1億円ときたか

そんなん払えるわけないな…


つまりまぁこういう事

「言えない」という事は言えない理由がある=機密事項に引っかかる


ここでの正解は「なんのことかしら?」とか言う事

俺からすれば大分怪しい返答だが、無難な回答はコレ


だが、雪ウサギさんは「言えない」と答えた

これはゲームを知っていたという事


学校の話で明確な根拠は無かったが普通の学校ではなく貴族の学校なのではと思っていた。


そして、何よりの質問の根拠は「いくらなんでも落ち着きすぎ」

無表情な人だって眼球運動位はしてもおかしくない


なのに、全く動揺っぽい動揺といった機微を見せないとなると

やはり、関係者を疑う。


こうなってくると第一ピリオドの勝敗Kを出す所を見られたうえで

Aを出された?と疑ってしまう。


そうだとすれば確認せざる得ない


「ねぇ。アンセム。このゲームに不正はないの?」

「違う!私は運営側の人間じゃない!」


雪ウサギさんが返答する

だが、流石に信用はできない


恐らくディーラーのアンセムならば正直に答えるだろう

まぁ100%信じるワケではないが


「君がその思考に至った理由(わけ)は何となく推測できる

その上で断言しよう。このゲームに不正はない。

第一ピリオドの一発負けは雪ウサギ様のGoodPlayであり君の過失だ」


ぐっ…嫌な事をいいやがる

だが、観客の前でこうも言い切ったんだ。ある程度信用するか


となると雪ウサギさんは


「親がこのふざけたゲームの主催者とか」

「違う」


違うのか。1番可能性がありそうな奴だったが


「なら、あの中の観客達の中に両親がいるとか?」

「いない」


これもハズレか


「なら、なんなわけ?」

「言えない」


まぁそうだわな

ぶっちゃけこの情報はどうでもいいけど



会話の流れで色々わかった


1この子は天然のポーカーフェイスである事


2家は恐らくお金持ちである事


3そして、フィアーゲームを知っているが故にここまで冷静だった事


4最初の質問の時の違和感は場所などは知っているので他に知らない事を聞いた結果。あの質問。そしてそれが俺からしたら異質だった

つまり、あの質問でキレ者だという判断は間違っていたという事


5彼女のプレイスタイルは冷静沈着でしっかりとした理論が出来上がっているだろう事。そして可能性の1つとしてこのゲームの経験者である事。


そしてそれならばゲームが強いのも納得。強敵だとは思ったが

それは、初めてだと思っていたから。経験者というなら驚く程でもない


6このゲームずっと疑っていたが相手のイカサマがないであろう事


色々見えた僥倖だ

相手が理論的に考えてカードを出してくるなら只の読み合いだ


ならば、性格云々よりもその場その場で考えた方が効率的

俺は自分が最高と思う手札を出せばいい


そしてこの流れ1番スッキリした事は


この子は俺と同じ何も知らず連れてこられた俺と違い


「敵」だと言う事。こんの大掛かりな勝負事だ

負けて本当に何もないという根拠はない。勝つに越した事はない


今まで手加減などしていなかったが心に引っかかってはいた

たけど、関係者なら別。



遠慮なくぶっ潰せる

3日以内に1話位は目指したい

(他作品と並行で)

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