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アルプトラウムガーデン  作者: しゅてふぃる
3/8

第3話・・・レジェンドの2人

2017/08/16・・・【サブタイトルに関して】今まで第1章、第2章、第3章と書いてきましたがよく考えたら章の区切りじゃないので第1話、第2話、第3話に変更します。次からも話で書いていきます。よろしくお願いします。

X1518年、センセ王国

3人での初クエスト終了から数か月後、資金集めも順調に進み、センセ王国をある程度回った3人は、クエストをこなしつつ、次の国へ回る算段をしていた。

「センセ王国はある程度回ったけど、兄さんに関しての情報はなかなか見つからないなあ・・・」

「ほな次はミュー王国に行くか、近いし。・・・お、あれが今回の魔物だな。」

レンが指した先には大きなカニ型の魔物がいた。甲羅の部分だけでも横幅は2m程度、縦幅は1m程度の大きさはある。

この数か月で3人はかなり連携がとれるようになり、あっという間に魔物を倒してしまう。

「ふぅ~。今回も無事倒せたな。」

「リヒトもレンも強いから倒すのがすごく楽だよ!」

「ありがとう!・・・せや、魔物と動物の違いが最近分かったんやけど何かわかるか?」

レンは2人に尋ねる。

「う~ん、見た目がごつい・・・とかかな?」

ヨシダは答える。

「強いか弱いかじゃないの?」

リヒトも答える。

レンは2人の答えに困惑しつつ答えを発表する。

「いや、まあそれもそうなんやけど・・・俺が気づいたのは、魔物は倒した後に消えんねん!動物の方は倒した後に消えへんけど!」

レンの答えに対し、2人はハッと気づく。

「た、確かに!今まであんまり気にしてなかったけど、魔物は倒したら消えてた!たまに体の一部分が残ったりはしてたけど、だいたい消えてた気がする!よく気が付いたね!」

「ふっふ~ん♪」

レンは2人もようやく気付いたか、と得意げな顔をする。

「ま、なんにせよ。今回のも達成報告へ行こうか!」

「そうだね、そろそろ次の国にも行かないといけないし・・・明日にでも出発しようか」

「せやな。少しでも早い方が良いやろうし。」

リヒトとレンがそう言って帰ろうとしたとき、ヨシダが話し始める。

「あ、あの。明日はこっちに知り合いが来る予定なんだ。自分がこっちにいることを伝えたら、じゃあセンセ王国で会おうかって話になって・・・だから出発は明後日からでも良いかな?」

リヒトとレンは顔を見合わせ、まあそういうことならと言う。

「それなら明日もクエストに行ってくるよ。気を付けていってらっしゃい。」

「ありがとう。そっちも気を付けて。」

そうして3人はクエストの達成報告を行い、宿で今日の疲れをとるのであった。


--翌日--

「それじゃ、行ってきます。今日の夕方ごろには戻ってくると思うから。」

そう言ってヨシダはどこかへ出かけて行った。

ヨシダを見送った後、リヒトとレンはクエストの支度を行い、宿を出てクエストカウンターへと向かっていった。この後に何が起こるとも知らずに・・・


2人がクエストカウンターへ向かうと何やら騒がしい声が聞こえてくる。近くに行くとすごい人だまりが出来ていた。人だまりから少し離れた青年に話を聞いてみる。

「こんにちは!この人だまりは何なんですか?」

「実は今、クエストレジェンドの2人が来ているそうなんだよ!いやぁ、俺も会いたいなあ!あっ、レジェンドの2人っていうのは、Sランククエストを何度もこなしている凄腕の二人組なんだ!どうやら世界各国を回ってクエストをしているみたいで、なかなか会うことが出来ないそうなんだよ!」

2人はそれを聞いて、なるほどと頷き、青年に礼を言うと、人混みをすり抜け、駆け足でクエストカウンターへと向かっていった。

人混みの中心に2人のおっさんがいた。1人目は大きなお腹をしていて、豪快なあごひげが特徴のおっさん。もう1人は少し細身で2mはあろうかという高身長でメガネをかけているおっさんである。・・・この2人が本当にレジェンドの2人なんだろうか。とリヒトとレンが考えていると、1人目の大きなお腹のおっさんが声を上げる。

「この中に俺達と一緒にクエストに行こうという者はいないか!今からAランクのクエストに出発する!挑んでみようという者はいないか!」

ざわざわと周りがどよめく。周りからは、俺なんかじゃ無理だ・・・クエストなんか行ったことないしな・・・Eランクのクエストでもいっぱいっぱいなのに・・・と戸惑いの声が多く聞こえてくる。


「どうした、誰もいないのか!」

腹の大きい方のレジェンドが声を上げる。

そんな時、リヒトの横で声を上げる少年がいた。

「はい!俺、行きたいです!・・・こいつも一緒に!」

レンだった。しかも何やらリヒトの腕を掴んで手を挙げている。

(お、おい!レン何言ってんだよ!)

(良いやろ、別に。こんな機会、滅多に無いんやし。)

「ほお、活きのイイ奴がいるじゃねえか。してお前たち、ガキの様だがどの程度の強さだ?」

「こないだAランクのクエストをクリアしたばっかりや、リヒトと一緒に!でもAランクはクリアできたから足でまといにはならへんで!」

(ヨシダのおかげもあってぎりぎりではあったけど大丈夫やろ、多分)

(お、おいレン!)

そう言ってレンはAランククエストの達成報告書をレジェンドの2人に見せる。それを腹の大きい方のレジェンドが受け取り、ほほぉと頷く。

「なるほど、こいつは本物だ!良いだろう、同行を許可してやる!・・・受け付けは終了だ!あんまり多いと大変だからな!」

周りからは、あのガキども勇気あるなあ、期待してるぞーなどの声が上がる。

勢いで決まってしまったが、リヒトもレジェンドの2人がどんな動きをするのかは気になるところなので、嬉しくもあった。

レジェンドの腹の大きい方が話す。

「そういや自己紹介がまだだったな!俺はグレース、よく盾のグレースなんて言われてるな!そしてこいつは最高の相方で、シュテルケだ。俺が見た中で、最強の槍使いだ。」

レジェンドの背の高い方、シュテルケもメガネをクイっと上げて話す。

「あんまり話すのは得意じゃないけど・・・その、よろしく。」

「「はい、こちらこそよろしくお願いします!」」

リヒトとレンも自己紹介し、レジェンドの2人と一緒にクエストの目的地へと向かうのであった。


センセ王国北部山岳

リヒトとレンは衝撃を受けていた。レジェンドの2人の動きに。見た目からは想像のつかないその動きは、まさに常軌を逸していた。

「な、なんて動きなんだ・・・」

Aランククエストとはいえ、グリフォンの姿をした魔物は強かった。何しろ人の大きさの何倍もの大きさの怪獣である。背中の翼から生み出される大木も吹き飛ばされるような豪風、強靭な前後の脚から繰り出される大地をとどろかすほどの強烈な蹴り。

それらの攻撃のすべてをレジェンドの1人、グレースは盾で受け流す。反撃のスキを見つけると、すかさず後ろに構えている剣を振り、カウンターの一撃を与える!その攻撃で敵が怯んだところに、シュテルケによって急所への強力な一撃が豪快に繰り出される!


流れるように防御と攻撃を繰り出し、まるで以心伝心かのような息のあった連携を見せる。少し離れたところで見ていたリヒトとレンの2人はレジェンドの動きにくぎ付けになっていた。

「す、すごい・・・あんなに強力な攻撃をいとも簡単に受け流してる!しかもスキを見つけた途端にカウンターに移行するスムーズさ、敵の一番嫌がる距離の取り方・・・すべてがかなり高いレベルで連動してる!」

「あの槍の人もや!あんな流れるような攻撃動作、見たことない!敵の攻撃を見切り、なおかつ反撃する余裕を持つ避け方・・・相方が詰めたい気持ちを見せたら一気に攻撃を畳みかけるあの攻撃力・・・あの2人、年やと思ってたけど全然そんなことないで!」


そうこう言っている間に、シュテルケが必殺の一撃を放つ。ズドオオオオンと、大地が震える音が聞こえてくる。シュテルケの一撃をもろに受けた魔物はよろめき、体制を崩し倒れこんだ。レジェンドの2人は魔物が消え去ったことを確認すると、リヒトとレンのもとへ戻ってきて声をかける。

「わりぃな、途中から観戦させちまって。本当はもう少し参加させてやろうと思ってたんだが・・・」

「いえいえ、戦いを見れただけでもすごい勉強になりました!」

「俺も、おっさんだと思って大したことないって思ってました、すんません!」

レンが素直に謝ると、グレースとシュテルケは少し唖然としていたが、そのうち笑い出した。

「はっはっはっ!気にすんな!何年もやってりゃその内おっさんになってくる!今ので少しでも見直してもらえたってんなら何でもオッケーだ!」

「そうだね、君たちはこれから強くなっていくだろうから。それじゃあクエストの達成報告へ行こうか」


こうしてレジェンドの2人のクエストについていく一時の冒険は終わり、センセ王国へのクエストカウンターへと戻っていくのであった。


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