裏稼業
~1~
「蓮子!帰ろ!」
私がそう促すが
「まだレポートが終わってないから、先に帰ってて」
蓮子はにぱっと笑う
私はその動作を見て「れ…」と名前を呼びかけて、黙った
「うん、分かった…」
そう言い、私は教室を去った
~2~
同僚が居なくなり、教室が静かになる
どうやら残っているのは私、宇佐美蓮子だけらしい
「歯がゆい…」
さっさと終わらせよう、、、
2時間後~
「ふう…」
私はペンを机に置く
存外早く終わった、1人という事もあってか時間経過が早く感じた様だ
所詮脳がそう勘違いしているだけなのだが…
体は実に忠実だと改めて実感した
「……」
大体2cmのレポートの束を疲れた目で見る
やれやれ、今週のレポートは多かった
今日はその提出最終日である
「あぁ、また教授にどやされるなぁ…」
彼はいちいち煩い
別に期限までに返すと言っているのに、煩い
「はぁ、だるいなぁ…」
そう思いつつ、岡崎教授の元へ足を運んだ
~3~
「お、岡崎教授……」
「遅い」
部屋に入るなり、これである
彼女は時間に手厳しい、いや、手厳し過ぎる
「私を2日以上待たせるとはいい度胸ね、その度胸、素敵よ」
「はぁ、さいですか」
「さっさと見せなさい」
さっさとレポートを渡す
教授はさっさとレポートを見て
さっさと判子をレポートに押し付け
さっさとレポートを机に直した
ものの一瞬で動作が完了し、私がレポートを渡す前姿勢に戻る
「他に何か用は?」
忙しそうに問い掛けてくる
先程の勢いに押され曖昧な返しになる
「あ、いえ…何も」
「そ、今忙しいの」
彼女が忙しいと発言する時は大概暇な時である、実際今彼女は机に座っているだけで、何もしていない
何にせよここに留まる道理はない
「あ、失礼しました、おいとまします…」
私は静かに部屋を出た
~4~
私は迷彩を解いた
「あら、何故隠れたのかしら?ちゆり?」
「ふん、あんたのひねくれた性格に嫌気がさしたから」
「あら心外、それに、理由になってないわ」
腹が立つ、それだけだった
と、岡崎が、突然口を開く
「…ねぇ、過去と並行世界、行くのに苦労するのはどっちだと思う?」
「未来という選択肢は無いのかい?」
私が答えにならない答えを答えるが
「未来を知るのは面白くないわ、二択で答えて」
岡崎はおどけた口調で答える
質問を質問で返すとは何事だ
溜息をつき、答える
「並行世界」
「流石ちゆりね、不正解」
岡崎はケタケタ笑う
「悪かったな、で正解は?」
「二択よ?」
そんな事は知っている
「あんたの事だ、たとえ二択で答えろとは言っても、、、」
「正解は並行世界でした~♪」
私が言い終わる前に、ニコニコしながら岡崎は口を開く
私は舌打ちをこぼし、問う
「チッ…で、何が言いたい?」
「私は難しいものをやるより、簡単を優先し、成功率をもぎ取るタイプよ」
その答えを聞いて
ようやく彼の言いたい事が分かった
「蓮子の事か」
「あら?そんな事一言も言ってないわよ?」
岡崎から蓮子の事情は聞いている
マエリベリーハーンを探している事も聞いた
「はっ、いつものついでか」
「実験も出来て、一石二鳥よ」
彼女は、単一的に行動しない
自分のこと以外は全て「ついで」にし、解決してしまう
「ふん、で私は何をすればいい?」
「分かってる癖に」
岡崎は、したり顔で
「空間移動船の準備よ」
そう口を紡いだ
素敵な岡崎教授のストーリーは即席です、ですが筋はしっかり通します




