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東方二次創作 東方鬼神慈譚   作者: 放浪者キカイマン
11/14

知る事

〜1〜

私は慌てて理由を問い掛ける


「ど、どうして…?」


まひとは申し訳なさそうに


「いやぁ、先日の伐採の件なんだが…」


そう言って、事を言う前に頭を下ろした

ひとまず、と言うように


「俺は元々一人暮らしだ、もし長居するなら、それなりに動いてもらいたいんだが…」

「あぁ…」


彼が言わんとする事が分かった

つまり、「出て行け」と言う事であろう

先日の地獄の伐採作業で見兼ねたのだろう

事実、私の運動性能の低さは折紙付きである


「んん…言いたい事は、分かったわ…いいわ、迷惑だったのなら尚更だし…」

「す、すまん、だが…だな…」

「?」


目を逸らしつつ、遠慮がちな様子である

一体どうしたのだろうか


「いや、体を流したいなら、下の里行ってもいいと思うんだが…」

「は!?」


先刻の静寂を破った声が再び舞い降りてきた

私の彼に対しての印象は「田舎人」である

この森の中で1人で暮らしている

そんな彼が、女性に対して気遣いをするなど、私は思いもしないであろう

返す言葉を決める間もなく、私の口は勝手に動いた


「え、あ、うん、た、確かに気になるけど…下の里に風呂があるの…?」

「ふ、ふろ?」


まひとは首を傾げる

風呂では通じないのだろうか

仕方が無いのでまひとの言葉から抜粋する


「その、体を流す場所が?」

「あ?あぁ、温泉がある」

「温泉…」


その二文字に私は惹かれた

温泉など、今の時代では中々見ないものだ

汗が染みた体を流せるのであればそれで良いのだが…


里と言う物言いの他、様々な疑問について目を瞑るとして

何故まひとは、その里とかいう場所で暮らしていないのだろうか

身寄りがない人を勧めるぐらいなら、自身も行くべきだろう

その考えを奥に追いやり、頷く


「…分かったわ、御世話になりそうとは言ったものの、助けてもらった身だし…執着は出来ないわね」


深くは詮索はしない

まひとは頭を掻きながら苦笑いを浮かべる


「あっちの方が、環境は良いだろうさ……」


言わずもがな、だろう

助けてもらった身なのだから

まひとが出て行けというのなら、従わなければならない

だが、野宿をせずに済むあてを意見してくれるのは、ただほっぽり出されるのよりかは随分とマシである


「……ねぇ」

「…なんだ」


私はまひとに確認をとった

だが、私は里に行くことを少し不安に思った

本心とは違う事を問う


「……その人達は、里の人達は、私を向かい入れてくれるのかしら、客人として」

「恐らく大丈夫だ」

「何よその微妙な返しは…」


怖いのだ

ここを、この場所を知ることを

秘封倶楽部では、不思議を見つけ、証明するだけであって、根本的な原理を知ることを目的とはしていない

今の私は、底なし沼に戻りたくても戻れない状況に(おちい)っている

私は立ち上がり、小屋を出た


「…?」


まひとはその言動に首を傾げるも、追っては来なかった

外の空気を吸いつつ

少し考えた


「…」


秘封倶楽部のメンバーである私が、仮定ではあったとしてもスキマの向こう側の世界を知ることを許すのが、怖いのだ

行き過ぎた"未知"に踏み出すことが、怖いのだ


ひたすらに

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