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手紙  作者: 大和香織子
第一章 手紙
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6

8月○日


 今日は、メロンパンを作った。

 あまりにも美味しくて、出来立てを夫にいつか食べてもらいたいと考えていたら、一人で作った時の事を思い出す。

一生懸命時間をかけて作ったのに、うまく膨らまない上に、すぐに乾燥してパサパサしていて、とても食べられるようなものではなかった。

夫にあげるつもりだったけど、あの時は先に約束しなくて良かったって思ったんだっけ。

皆で作ると時間が経ってもふんわりしているから不思議、というか、自分が下手くそなだけなのだろうけど。

次はマスタードウィンナーらしい。

 早くコツをマスターして、自宅でも作りたい。



8月△日


 今日、手作りパンクラブを休む。

 喉の調子が悪くて、病院に行ったら「夏風邪でしょう」と言われる。

 エアコンを点けっぱなしで寝ていたからだろうかとか、ワインを沢山飲んだからだろうか等と思い当たる節が多い。

 気を付けよう。

 咳止めシロップと錠剤をもらい、夕飯を買いにスーパーに寄ると、手作りパンクラブの4人に偶然会う。

 


9月○日


2か月ぶり位にポストに手紙が入っていた。

「階段なんていらないよ、ズッテン転んだろ?いいっす」

昨日自宅マンションでいつもの入口ではなくて、一番左の入口の階段から家に帰ったのだけど、入口に入る前の3段ほどの小さな階段で転んでしまったのだけど、どういうこと?

このマンションの人なの?

いや、落ち着いて私。

このマンション内の人とは限らない

だって、うちのマンションの下は旧国道沿いなのだから誰が見ていてもおかしくはない。

けれど、この監視されているような気持ち悪さはなんだろう。

夫に言うべきか。

いや言わない方がいい。


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