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手紙  作者: 大和香織子
第一章 手紙
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2

6月○日


 またポストに封筒が入っているのを見つける。

「ジュース5本に果物、人参、お菓子にチーズにロースか」

・・・・・知り合い?

財布の中のレシートで確認したらやはり昨日買ったものだった。


6月△日

意味が分からない。

「夕方ルンルン魚かな?お安い鱈に椎茸ね、いいな」

なぜ私が買ったものを知ってる?

 店内で一応周囲を確認したけれど、誰も見当たらなかった。



7月△日


また届いていた。

今日初めて夫に見せた。

「子供のいたずらだろう。気にするな」と言われた。

さすがに4枚とも別々に届いたとは言えなかった。

「栗にプルーンか。週刊誌読んで昼寝していいね、主婦」

ストーカー?

一体誰が?



7月○日


警察に被害届を出すべきか否かで悩む。

でも、こんなものを届けたところで、何をしてくれるというわけでもないだろうし、

実際に危害を加えられているわけでもない。



 俺は日記帳を閉じて、和室の部屋に有る仏壇を開き、心江の為に線香を3本上げた。



 白く細長い煙が、らせん状に立ち上る。


 何故こんな事なってしまったのだろうか。


 家の前に立つと、心江の作る料理の匂いが換気扇から外に漂い、


空腹で疲れ切った会社帰りの俺を癒し、


ドアを開けると「おかえり」と大きな声で言う心江の姿今はもうない。

 

 もう一度、心江の笑顔に会いたい。


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