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わたしは、みるくアイスがすきです
りゆうは白いろがすきだからです
あまいものはきらいだけど、みるくアイスはすきです
そう書かれた私の小学1年生の頃の作文。
「すごいね、これ、面白い」
そういいながら笑う木下を横目にコーヒーを一口飲んだ
「何が?」
「何かかわいい」
「わけわかんない」
「亜歩ってみるくアイス好きなんだね」
「昔の話よ、今は見るだけで胸やけがする」
ふぅん、軽く返事をして私の太ももに寝転ぶ彼を見ていると
昔見たいに愛しい気持ちが薄れている事に気ずいて悲しくなる
「昔は本当に大好きだったの、今はわからないけど」
「アイスの話?」
「さぁ」
木下が飲み残したヘドが出そうなほど甘いカフェオレに煙草の灰を落とすと
携帯をひらいた、下から私の顔を心配そうにみる木下の目が
妙に淋しそうに見えてまっすぐ見れなかった
「今日はもう帰って、仕事がだくさん残ってるの」
「そう、わかった」
起き上がってしわがてきたトレーナーを直してあげると
ありがとうと笑顔で私を見る木下に今日も私は言えなかった
「別れる」その言葉が言えなかった
木下と付き合って3年、3年前私はもういつ終わってもいいと思っていた
毎日ひどく憂鬱で、食事は喉を通らない
皆が皆口を揃えていつでも相談にのる、心配してる
その言葉を聞くともっと憂鬱になって、実際その言葉を信じると
話のネタになるか慰めの言葉を沢山かけられながら抱かれるのだろう
そう思うと終わったほうがマシだった、死にたいんじゃない
終わらせたい、今の状況を終わらせたい、でもそんなこと私が動かないとできない
世界が変わっても、環境が変わっても
まず私が変わらないと何も始まらない、そこまでわかっているのに
どうして私は変われないの?私はどうしてこんなにもダメな人なの?
私はこの世にいらない存在なの?ごめんなさい、ごめんなさい
何でもするから許して、お金なら全部あげるから、奴隷にでもしていい
だから私の存在を認めてください、私をのけものにしないで
煙たがらないで、お願いしますお願いします、ごめんなさい
そう思う日もあれば、どうして私が変わらなきゃいけない?
どうして私を皆が皆認めないんだ?おめぇら死んじまえよ
私を認められねえなら死ねばいいんだよ、どうせそのスカスカの頭は
金が欲しい、SEXしたい、くらいしか思ってねぇんだろ
そんなくだらない事考えるくらいなら私の奴隷にでもなれクズ
と思う日もあった、そんな中私は木下と出会った
精神科の帰りにやっと薬をもらえて凄く気分がよくて
いつも1kmの距離でもタクシーを使うけど
今日は2駅分くらいなら歩いて帰れる気がした
8cmはあるピンヒールに薄いニットに長い爪に金髪の巻き髪
短パンのポケットにはくしゃくしゃになった3万円と家の鍵と煙草とライター
右手には薬の入った袋と診察券、まっすぐ前だけを見ながら
新宿に入ってすぐのローソンの前を通り過ぎていく
これで今日はコンビニをみたのは6つ目だ
声をかけてきた黒髪の細眉に眉にピアスがあいた
黒のスーツの男に声をかけられる
これで今日声をかけてきた男は6人目
私の前を横切った女、今日ミニスカートをはいた女をみるのは19回目
ロングカートをはいた女をみたのは8回目
髪を巻いてる女を見たのは39回目
通りすがる人と目が合うことだけは避けたくてただただ
くだらない事を考えて気を紛らわせた
声をかけてきた男とも1度も目を合わせてない
行き道に乗った白髪交じりのタクシー運転手とも
茶髪でおでこにニキビがある受付の女性とも
薬指にさびた指輪をはめて眉間にイボがある先生とも
1度も目をあわせていない
真冬に薄いニットだけをはおって冷や汗をかく私
コツコツコツコツコツコツ
ヒールの音だけに意識を集中して歩いた
たまにため息をついて煙草に火をつけたり冷や汗をふいたり
そしてまたヒールの音に意識を集中させていると
木下と目があった、はっ、思わず声にでそうになって
急いで右手の甲を噛んだ。
私の顔を覗き込んでまじまじと私の目をみる木下が
凄くこの世の物とは思えないほど怖かった
「お姉さん大丈夫?寒くないの?顔青白いのに汗でてる」
目をそらして前をむいてまた歩くと急いで後ろから追いかけてきた
木下に右腕を掴まれた、勢いよく引っ張られた右腕
右手は私の口から離れて甲から血がたれた
私と木下の視線は右手に集中した
「あぁ、ごめんね、つい、絆創膏買ってこようか?」
「いいんです」
「何て?」
木下が私の口元に耳をすました
耳には拡張した跡にピアスが3つ、トラガス、軟骨、耳たぶ
「いいです、これくらいの傷」
「あぁ?そう、お姉さんところで何してんのー?」
「今から仕事なんです」
「そっか、今の給料で満足してる?もっと時給高いとこ紹介するよ」
「譲じゃないです」
「あ?そうなの、何してるの?仕事」
「アルバイトです、母がまってるので」
「あれ?仕事じゃないの?」
sssssssssssssssss




