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夏生詩集3

拭うものがなければ

作者: 夏生

さみしい

心細い、が

一滴一滴落ちてゆく


大丈夫

心配ない、で

滴りを拭う

繰り返していくうちに

大丈夫、心配ない、まで

濡れそぼって拭う役に立たなくなった

大丈夫、心配ない

以外にさみしい、心細いを拭う言葉はないか


考えすぎるな

落ち着いて

そのうちうまくいく、は

拭えばすぐに濡れて破れてしまった

何を堪えているのか

さめざめ泣くより声を張り上げて

泣いてしまえばいい

妙な明るさに顔を照らすより

とことんの闇の中に顔をうずめて


形にしなくていい

笑わなくていい

言葉なんて待たせればいい















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― 新着の感想 ―
[一言] シンプルな言葉ばかりなのに、的確に心を打ってきます。絶え間ない滴りを拭いながら生きようとするせつなさを感じました。
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