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絶対主義  作者:
act 01 日常
5/10

03

ラルフィーはああ、と親指を後ろに指差した。その動作に従うまま、シェンツァは彼の後ろを覗き込む。

ベッドの上にあるものを見て、思わずシェンツァは目を見開いた。


そこにあったのは女性の死体。しかも彼女を覆うものは何一つなく、肌色が露にされていた。

シェンツァは顔を赤くして驚きたじろんだが、直ぐ様目を逸らし、ラルフィーを睨み付けた。


「……こうなった経緯は?」

「あ?興味出てきたのかよ童貞」

「ちげぇ!!この無駄な行動をした意味を報告しろっつってんだよ!!」


恥じらいか怒りか、シェンツァは耳まで真っ赤にしてラルフィーに叫んだ。

それまで彼の反応を見てにやにやといやらしい笑みを浮かべていたラルフィーは、気に入った反応出はなかったからか途端に不機嫌そうになり、舌打ちを打った。


「っせぇな。耳元で喚くな。

その女が何でもするっつーからヤって、面倒になったから殺しただけだ。文句あんのか」

「……文句しかでねぇよ…」


この理不尽な男に、シェンツァはただただため息しか出てこない。

こんなふしだらな報告、一体どうしてお嬢さんに知らせれるだろうか。まず、過保護とも言えるが心配してくれた彼女に対して、こんな失礼な行動があるだろうか。


頭痛が止まないシェンツァを無視し、ラルフィーは先ほどまで吸っていた煙草を「不味い」と一言吐いて部屋の外の炎へと投げ捨てた。

どうやら煙草は哀れな死に方をした女性のものであったようだが、不味いならば吸い始めたらすぐに捨てればいいものを。

何年もの付き合いだが、彼の行動はシェンツァには未だ理解不能だった。


「……あいつは何処だ」

「あいつ…?」

「包帯グルグルミイラの任務馬鹿以外いるかよ。

お嬢サマがてめぇみたいな腰抜け一人に来させるわけねぇだろ」

「……色々反論したいことはあるが、オリゲルトなら別行動だ。今頃イノージュを見付けてるだろ」


それを聞いて、残念そうに、そして忌々しそうに舌打ちをしたラルフィー。シェンツァはその行動に少し寂しそうな表情をして、見てみぬ振りをした。

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