第二話 廣野啓太
そして今、私が愛しているのは、5組の廣野啓太君。
愛したときはいつも思うけれど、
この人なら絶対に裏切らない気がする。
私を本当に愛してくれる気がする。
私の病気を・・・・・・・認めてくれる気がするの。
こんな虚しい気持ちなら抱かないほうがいいのに。
でも、啓太君なら・・・。
啓太君は今まで私の愛してきた人たちとはタイプがずいぶん違う。
今まで愛してきた男の人たちは、
すごく切実そうで、まじめなクールな人か、
優しそうで、みるからに爽やかな楽しい人かのどちらか。
でも啓太君は、不良で、ちょっと怖くて、いかにも軽そうな人。
耳に、口に、鼻にピアスはしてるし、
学校には週1回か2回でるのがいいトコだった。
私は啓太君が学校に来るのが、すごくすごく楽しみで仕方がなくて、
いつも昇降口で啓太君が来るのを待つの。
啓太君、気づいてるかな??
学校にくるときいつも昇降口にたってる私に。
私をすこしは覚えていてくれるかな??
少しは、そう思いたいよ・・・。