第2話:勝負
「なんだとクソガキ?お前らみたいなガキは近所の公園でボール遊びでもしてろ!」
大樹はカッとなって中学生達に飛び掛かろうとしたが、裕也がギリギリで押さえ付けた。
「離せよ裕也!」
「ここは俺達の場所なんだ。使いたきゃ俺達にサッカーで勝ってからにしろよ。」
興奮する大樹を押さえ付けながら裕也が冷静に中学生達に言った。いざという時、冷静に対処できるのが裕也のいい所だ。
「俺達がお前らに?バカか!そんなことやらなくてもわかるだろうが!お前らみたいなガキ、相手になんねぇよ。」
「だったら勝負してみろよ!」
さっきまで笑っていた中学生が裕也の気迫に一瞬ピタリと止まった。
「……調子にノリやがって!だったらすぐかかってこいよ!全員まとめて潰してやる!!」
「やるのは俺達二人だけだ。」
なんと裕也は中学生三人相手に二人だけで勝負を挑んだのだ。これには中学生達は完全に頭にきていた。
「テメェ!いいかげんにしろよ!!」
「やればわかるよ。」
裕也はニヤリと笑った。大樹もようやく落ち着いて、同じように笑った。
「さぁ!とっとと始めるぞ!ルールは先に3点入れたほうが勝ちでいいだろ!」
そう言うと中学生三人は一気に攻めてきた。裕也は冷静に三人の動きに合わせてディフェンスする。
「こいつ…」
あまりの裕也の小学生離れした動きに中学生達は戸惑っている。その瞬間を裕也は見逃さなかった。ボールを奪い、一気に攻め上がった。
「大樹いくぞ!!」
<続>