神様に嫌われてる? 2
中学校の桜が咲く姿を見るのが三度目になった年に僕は、同じクラスの自分の隣の席に座った背の低い自称、神様に恋をした。
僕の隣の席に座っている彼女の苗字は中澤。ちなみに名前は知らない。というか多分、この学校で彼女の名前を知っているのは先生だけで、僕達生徒は多分知らない。何故ならクラスメートに聞いてみても返ってくる返事は唯一つ「知らない」だけだから。
僕は気になって気になってしょうがなかった。
だから僕は本人に聞く事にした。
幸いにも今日の数学の時間は確か自習と隣のクラスの人たちが言っていた。絶好のチャンスだ。
まちにまった数学の時間。隣のクラスの人の言うとおり、自習だった。
本人に聞こうとしたその時だった。
「ねぇ、岬くん」
可愛らしいソプラノの声で中澤さんが僕に話し掛けてきた。
「何?中澤さん」
「あのねぇ、私……」
もじもじしながら中澤さんが喋る。もしかして恥ずかしがってるのかな?
「岬、お前のことが大嫌いだ」
「え?」
少し、頭の中が混乱した。中澤さんの方から 、ドスのきいた声が聞こえてきたからだ。
「中澤さん、だよね。僕のこと嫌いって言ったの」
「あと私のことは神様と呼べ」
中澤さんが胸を逸らして言う。
僕の言葉完全に無視されたな〜。でも自分の事を神様って呼ぶなんて……すごく面白そうな子だな
「わかったよ、神様」
中澤さんは僕に神様と呼ばれて嬉しそうにはにかんだ。その姿は普通に可愛くて僕の胸がドキっとした。
こうして僕は自称、神様と知り合って、嫌われた。
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