2023年7月25日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#94 理科室
サクソフォン奏者八巻和行さんのラジオ番組
こうのすFM フラワーラジオ
フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)
八巻和行の七転び八巻
というラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】
毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。
小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。
そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。
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こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです!
《番組への参加方法》
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③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表
④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿
※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。
※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。
サイト投稿回数 第47回目の今回は………
2023年7月25日放送。
妄想【愛の劇場】#94 理科室
「知ってる?あの噂」
貴子は、意味ありげに低く声を落として、怖がりの直人の目ををジッと見つめながら言った。
「う、噂って。何?」
直人は、声を裏返しながらも強がりながら言う。
「理科室のあの噂よ」
「り、理科室?の噂?」
貴子の声のトーンが低いままなので、直人はより一層強がる。
「放課後の理科室で高笑たかわらう人体模型の噂」
直人はその噂を知っていた。
知っていたが、怖かったので噂話に耳を塞いでいた。
昔、放課後の理科室に用事があり居残っていた生徒がいた。
その生徒は理科室でひとりで居た。
用事をこなしながら過ごしていると、ガタリ……、と音がした。
生徒は音の方に視線を向けるが、そこには誰もいない。人体模型が一体、立ち尽くしているだけだ。
生徒は再び用事をこなそうと、作業を始めた。
再びガタリ……、と音がした。
生徒は再び音がした方へ視線を向けた。
やはり誰もいない。
首を傾げ気のせいだと思い、再び用事をこなそうと作業を始めた。
少しの時間が経った時、今度はハッ!、と突発的な音がした。
生徒は突然過ぎてどこから聞こえたのか理解できなかった。
理科室のあちらこちらを視線で追う。
再びハッ!、と突発的な音がした。
理解ができない事の連続に気味が悪くなった生徒は、背筋を凍らせながら早く理科室から出たいと思った。
その刹那、ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!と、突発的な音が爆音の様に響いた。
あまりの高音に耳を塞ぐ生徒。
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!
生徒の頭をかち割ろうとする様に、続けざまに襲いくる高音。
あまりの痛さに生徒は頭を抑えたいが、耳を劈く高音を遮る為に、耳から手を離す事はできなかった。
生徒はその場でもんどりを打った。
鳴り止まない、ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!
あまりの苦痛に耐えきれなくなった生徒は、その場で息絶えたという。
そして、人体模型が高笑いをして生徒の命を奪う。という噂が、実まことしやかに校内に流れ始めた。
直人は貴子が何を言いたいのか分かっていた。
「肝試しをしたいって事?」
「ふふふ。放課後、理科室に様子を見に行くだけよ」
貴子は、いたずらっぽく笑った。
こういう表情の時の貴子は、誰も止める事ができない。
直人は、諦めた様に深いため息をひとつついた。
ありがとうございました。
次回もラジオ番組の投稿コーナー
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妄想【愛の劇場】#95「詰め放題」