一三言目 はっ、は?
「こんなものかな、手伝ってくれたから早く終わったね」
「もう日が出てるじゃない……」
「日が出てくれたから仕上げが捗ったんだから太陽さんには感謝だよ?」
漸く全ての元凶を取り除く事ができた。
後は暫く様子を見るしかないけど、やれるだけやったし次は何をしようかな。
「ね、寝よ……」
「よーし、そしたら僕は集めた葉っぱとかダメになった木を処分しておくね!」
「アンタも寝るのよ!」
「えっ!」
何で!?
折角太陽さんが出てきてくれたのに寝ちゃうの?
おかしくない?
半ば無理矢理、引き摺る様に僕は家へと連れていかれた。
そして布団に放り込まれて、それから。
気が付いたら良い匂いがしていた。
「ご飯!?」
「うわっ! そ、そうだよ、朝ご飯だから早くおいで。もう起きたの? 起こすつもり無かったのにな……」
どうやら僕は寝ていたらしい。
眠いつもりは無かったんだけど、眠かったみたい。
他にやる事あるのに寝なきゃいけなの辛いな。
やる事あるって幸せ!
ご飯も美味しいし!
身だしなみを整えてテーブルに向かうとヴィオラはいなかった。まだ寝てるのかな? 寝坊だね。
「昨日はありがとう」
「へ?」
「果樹園、救ってくれたんだって?」
「あ、いや、そ……」
「元々俺がしっかりしなきゃいけないんだけどな、悪い悪い。ハッハッハッハッ!」
「はっ、は?」
「もう、なんでアンタはそんなに前向きなのさ」
「良い事じゃないか」
「この人ね、元々は軍に所属していたの」
「えっ」
軍人さん! 初めて見た! 初めまして!!
「でも実家がここにあって、結構沢山の遺産を残したまま、流行病で亡くなってしまってね」
「あ、そ、そ……」
「処分するか、引き継ぐかって言われて。この人知識もないくせに引き継いじゃったのよ」
え!?
じゃあこの人が居なかったらここに畑はなかったの!
何て偉大な素晴らしい人!!
「まぁ何とかなると思っていたんだけどね。水でも撒いていれば良いだけなら、命を賭ける仕事より良いかなってね」
えぇー!
水だけで良い訳ないじゃん!
植物が可哀想!
「やり始めたらこれがもう大変でさ」
「あ、ぼ」
「見かねた妻や娘が手伝ってくれてね、何とかなってる訳さ。まぁ結果なんとかなってるんだけどね」
「なってないから果樹園が大変な事になってたんじゃないか」
「まぁそう言うなって」
何ともなってなかった!
果樹園は多分全体の1割くらい処分せざるを得なかったのに、何とかなってるのかなこれ。
「処分した奴はどうした?」
「ぇ、その、あ、あっちに……」
「よしよし、了解だ。ありがとうね! 一応見ておくか」
薪になりそうな太い部分は乾燥させるために並べておいて、葉っぱや細かい枝はカラカラの砂で水分を飛ばさせて、そのままにしてたら風で飛んじゃうから、魔力で作った土とブレンドして今度は腐らせて、良い感じに土に戻しておいた。
「終わってるー!」
親父さんが叫んでる!
ビックリするくらい田舎育ちの頑張りっ子の冒険です。
テキパキアルスくんをよろしくお願いします。
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