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一一言目 ……っ

 どうも、先生です。

 なんちゃって。


 突然頼まれてしまい、良く分からないままそれが決定してしまった為、僕は先生をやる事になった。ヴィオラに植物について指南する事、それが役目だ。


 僕に務まるとは思えないけれど、お金を置いて行かれてしまい、そのままにしておくと余りにも失礼だったので、やむを得ず回収。僕にどうしろと? そもそもヴィオラはどこ? あ、あんな所に。


 どうやら葉っぱを見て回っているらしい、虫がいるかチェックしてるのかな? それとも病気? それとも栄養の加減? うん、きっと全部だ。


「……っ」


 せっせと回っている、僕が話かけない限り、ずっとこのままだな。うーん、どうしよう。何かあったのかな……!!


「……はぁ」

「グレイリーフじゃないか、こんなに沢山!?」

「キャッ」


 この辺りは果実園みたいだけど、どうも葉っぱの色がおかしい。本来ならもっと青々しているはずなのに、こいつらはくすんでいる。


「アルスじゃない、何よ?」

「何故こんな事に!」

「何故って何よ、この葉っぱの事? ……わからないわよ。だから困っているんでしょ。アンタなら分かるって言うの?」

「何がだよ!」

「この原因よ」


 この原因? そんなのわかるもんか!

 偶然だよ!!


「原因は分からない、何故ならこれは枝や幹の削り取れてしまった剥き出しの部分から病原菌の感染、人で言う所の傷口からバイ菌が入ってしまっているような物だから、だのタイミングでどの傷にどんな菌が入ったかなんて分かる訳ないだろ!」

「……感染? こんな広い範囲に?」

「いいや違う、感染したのはほんの一箇所、その幹やそこから連なる枝、葉っぱ、そこだけのはずだったのに、こいつは傷口から傷口へと感染する」

「え、傷口から傷口? そんな事わざわざする筈ないでしょ、私が悪いみたいに言わないでよ」

「いいや君だね」

「何よ! 何がいけないっていうの!!


 あぁ、なんて酷い事を。


「君は異常状態をきたした枝を切るなりして排除しようとした、その時にその付近の怪しい箇所も念の為に排除したんだろ、こことここの剪定の距離が近い、別の木なのに傷口の乾燥具合も殆ど同じ所見ると、同じタイミングで切ったんだ、ここと、ここと、ここも」

「……確かに、その通りよ」

「その時使っていたハサミ、毎回切る前にちゃんと消毒したのかい?」

「!?」

「消毒したのかい?」

「最初に消毒して、そこからは使い回したわ」

「そのハサミがまず原因の一つだよ、感染拡大のね。後は偶然の接触や虫を仲介する可能性を排除する為に切った所には何か処置が必要だ、綺麗な傷口と汚染された傷口を隣同士ならべるなんて以ての外だ」

「……なら私はこの子たちを助けようとして、全員殺してしまったの?」

「まだだ」

「え?」

「確かにダメになった木も沢山ある、僕もかなり色々試したけど、こうなってしまった後に元に戻す事は出来なかった」

「じゃ、じゃあ一体」

「まだ居るじゃないか!!」

「!?」

「元気な、感染してない木が、まだ沢山ここにはいるじゃないか!」

「……そうね、ゴメンなさい」


 ヴィオラは涙を流していた。

 その涙をグイっと拭いて、キッと僕を見た。


「どうすればいい?」


 強い人だ、頼もしい。


「まずは無事な木とダメな木に分けて、最終的にダメな木は全て処分する」

「分かったわ」

「ただその過程で感染する可能性を防ぐ為に、まずはどの木が無事でどの木がダメなのか印をつけていく。紙でも布でもいい、今は感染してる木の方が少ないからそいつらに印をつけよう」

「任せて、目立つ色の紙を用意するわね」

「僕は傷が付いてから日の浅い物を探すから、そっちは任せるよ!」

「傷を探す!? そんな事まで……」


 日没までが勝負だ、暗くなったら分からなくなっちゃう。

 なんとか今日中に片をつけたい所だ。


ビックリするくらい田舎育ちの頑張りっ子の冒険です。

過去イチ会話するアルスくんをよろしくお願いします。


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