プロローグ
よろしくお願いします!
「お前は、偽物の聖女だ!イザベラこそ、真の春の聖女である!」
「何を言って…!」
「黙れっ!!お前のようなものは牢屋行きだ。!」
「信じて…!私が本物の《フローラ》なの…!」
「ふん、牢屋でその言い訳を言っておけ」
「お姉様…?それに、フェリス様…」
「お前が真の聖女だろう?」
「ええ。魔石に反応したのは私でした!」
いいえ。魔石に細工などしていないのに!!
何故?私がこんなことを…!
「ほら見ろ。あれはお前が細工したのだろう?」
「私はやってないです…!」
「そうか。処刑場でまた会おう」
「やめて…っ!ねえ、イザベラ…!」
「お可哀想なお姉様…」
まるで、姉ではなく、平民や、不幸な子を哀れむような、そんな目で、私を…見ていた。
「あはは…ははははは!!」
「見ろよ、アレ。完全に狂ってるぜ。」
「流石、悪女だな…早く死んでほしいな」
狂ってるですって…?
私だって、もう死んでしまいたい。だけど、体が…まだ生きようとしている。
「全くだよ。アレの見張りする俺たちのことも考えろっつーの…」
「あ…ご苦労様です。お姉様と、面会を頼める?」
「い、イザベラ様…っ!どうぞ…」
「ありゃ、本物の聖女だ。」
「あ…貴女なら、必ず助けに来てくれるって、信じていたわ…!
「ふふふ、惨めなお姉様…!」
「いざ、べら…?ここから出して…!」
「ふふふふ!、うふふふふ!」
「な、何笑って…」
「笑わずにいられないわ!お姉様ったら、なんてバカなの?!ふふふ!」
「は…?」
「あまりにも可哀想だから、真実を教えてあげるわ。ーーー無駄だと思うけど。貴女が…本物の聖女よ」
「じゃあ、なんで…!なんで!」
「でも、私が聖女なの。そうなっているよ!可笑しいと思わない?みんな…!」
「イザベラ、貴女…っっ!」
「きゃぁぁぁ!誰か…!」
「どう致しましたか?!」
「お、お姉様に襲われそうに…」
「なんだと…!いくら妹であろうと、この方は聖女様…お前はもう公女じゃない!」
「まって…いざ…べら!」
「起きて…」
「誰…?」
「早く…!もう時間が無いの…!」
「もう、無理…」
「…起きなさい!プリマヴェーラ・ラン・ハワード…!!」
ぱちっ!
目を開くと、少女がいた。
「!」
突然光が私の体から出て、目が眩むほど眩しい。
「ねえ、貴女は…っ!」
「あ…」
助かった?あの少女が、助けてくれた?
ここは…どこ?
「ようこそ、天界へ。我が愛しき子よーーー。」
私が、愛しき、子…?
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