026 彼とのひと時(久留里視点)
今回はかなり短いです。
さて、色々準備をしていたら僕の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
許可を出すと、ドアが開いてそこから翔太くんが部屋に入って来た。
「翔太くん、カウンセリングお疲れ様」
「ああ、今回も成果はなしだけどな」
「心の傷は深いんだ。 すぐに治るはずはないんだし、ここはじっくりと治していこう」
「そうだよな」
まぁ、父さんが翔太くんに紹介した医者が担当してるんだし、ここは気長にやってもらいたいね。
「それで、今日は何をするんだ?」
「折角だし、ゲームでもしようか。 いい対戦ソフトがあるし」
「いいな、やろうか」
早速、ゲーム機を引っ張り出してまず最初の対戦ゲームをセットする。
ジャンルは対戦パズルだ。
「あーっ! 5連消しってなにそれー!?」
「まだまだ甘いぞ、クー」
で、結果は翔太くんにフルボッコにされています。
いや、彼がパズルゲームが上手いなんて聞いてなかった!
やろうとした僕も僕なんだけどね。
「あー、また負けたー」
5回くらいパズルゲームをやって全敗した僕は、仰向けに勢いよく寝ころんだ。
「……っ!?」
(ん?)
勢いよく寝ころんだ僕を見た翔太くんが顔を赤くして少し視線を外した。
なんだろうと思ったら……。
(あ、そういう事か)
勢いよく寝ころぶ時に一度足を上げたので、スカートが乱れて下着が見えていたようだ。
まぁ、翔太くんに見られても別に構わないんだけどね。
「ご、ごめん、クー。 そ、その……」
「大丈夫だよ。 別に翔太くんになら見られてもいいし」
「し、しかし……」
「そもそも法月との決着前の添い寝で僕の寝間着を通じて見てたじゃないか」
「うぐ……。 そ、それは」
「別に怒ってるわけじゃないよ。 あの時みたいに遠慮なく見ても構わないって事」
「クーがそう言うなら……」
流石にからかうのはいけないので、ひとまず打ち切って、新しいゲームに切り替えて遊んだ。
新しいゲームでも僕はフルボッコにされて再び勢いよく寝転がったのは言うまでもないけどね。
まぁ、何はともあれ前半はゲームで楽しむことが出来たし、よしとしようかな。
なお、後半は一緒に食事をしてから、屋敷内の案内をしてあげようと考えている。
これから翔太くんは、カウンセリングの為によくこの屋敷を訪れる事になるからね。
次回から諸事情で不定期更新になります。
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