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くるり☆ショータイム!  作者: イズミント
第1章 幼馴染ざまぁ編
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015 その翌朝……(久留里視点)

「ふぁ……」


 昨日、翔太くんに抱かれたまま眠った僕は、朝日の眩しさに目が覚めた。

 彼の寝顔を伺うと、かなり穏やかな寝顔だった。

 同時に悪夢を見なくてよかったと安堵した。

 さて、いい時間帯だし彼を起こすとしようか。


「翔太くん、朝だよ。 起きなよー」


「ん……」


 僕が寝ている彼に優しい声を掛けると、ゆっくり瞼が開いていく。


「あれ、クー? そうか、俺はクーを抱いたまま寝てたのか……」


「そうだよ。 でも、そのおかげでよく眠れたんじゃないかな?」


「確かに、悪夢を見ずにぐっすり眠れたな……。 クーの温もりのおかげで」


「いやあ、ストレートに言うねぇ。 嬉しいけどさ」


 彼の口からもぐっすり眠れたという発言を聞いて、添い寝して良かったと思っている。

 それに、翔太くんに抱かれるのは不快より心地よさを感じたし、これからもお願いしたいくらいだった。


「とりあえず顔洗うか……。 洗面所は?」


「部屋を出てすぐにあるよ」


「わかった」


 眠気覚ましに翔太くんが顔を洗う為に、部屋を出てすぐにある洗面所に向かった。

 さて、僕も着替えてから、これまでの経過を聞きますかね。

 日が変わってからあの女はどうなっているのかをね。


◇◇◇◇◇◇◇◇


「おはようございます、お嬢様」


 着替えを終えて、顔を洗いに向かう為に部屋を出た所で執事さんが待っていた。

 多分、朝の報告かな?


「おはよう、執事さん。 それであれから進展はあったかな?」


「はい、護衛グループのA班からの報告によりますと、例の女はやはり執念で警察を振り切っており、ここからだと徒歩でおよそ1時間くらいの場所にいるそうです」


「やっぱり振り切っていたかぁ。 多分、一睡もせずにここまで逃げつつ、翔太くんを探しに来たんだろうね」


「おそらくそうでしょうな」


 執事さん経由で護衛グループの中のA班から受けた報告内容にやはりという感想を抱いた。

 同時に外れて欲しかった予想でもあったが、あの女の歪んだ独占欲による執念なら、警察から振り切ってもおかしくはないんだよね。

 そう考えてる僕自身も異常だと思っているくらいにね。

 あ、圭太くんと七海ちゃんも起きたみたいだね。

 部屋から出てきたし。

 

「あ、九条さんに執事さん。 おはよう」


「おはよう、九条さん。 翔太は?」


「おはよう、二人共。 翔太くんなら先に顔を洗ってるよ」


「おはようございます。 ならお二方やお嬢様もお顔を洗っては?」


「あはは、僕は丁度そうしようと思ってた所だし」


「そうよね。 私も顔を洗ってきます」


「俺も。 洗面所をお借りします」


 そう言いながら、僕や圭太くんや七海ちゃんも洗面所に向かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 顔を洗い終え、食堂にて朝食をとりながら、執事さんから受けた報告内容を翔太くん達に伝えた。


「予想していたけど、あの女よくやるよ……」


「翔太を自分のモノにしようという歪んだ独占欲がそうさせたのか……」


 当然ながらそれを聞いた圭太くんや七海ちゃんは呆れかえっていた。

 そして、翔太くんも無言だがあまりいい気分ではないようだ。


「あの女がこの付近にくるのは後45分くらいだと思うよ。 それまでに朝食を摂って英気を養おう」


「そういえば、あの女がなんでこの付近を知っているのかな?」


 ここで七海ちゃんは一つの疑問を口にした。

 例の暴力女の法月がなんでこの辺りの事を知っていたのかという内容だ。


「これは、叔父……ヨッシーのお父さんから聞いた話だけど、どうもあの女の恐怖で翔太くんのいる場所を教えた女子がいたみたい」


「マジか……!?」


「本当の話。 周囲の友達が法月に木刀で殴られて、意識不明の重体にされたのを見た上で、その子もターゲットにされて恐怖で漏らしながら教えたみたい」


「それで、この付近を知ったのか」


「酷いね。 重体になった子が心配だよ」


「だよなぁ」


 僕もかつて翔太くんが通っていた学校で暴力を振るわれ、意識不明にされた子が心配だ。

 だが、それよりも暴力女の法月を黙らせることが先決だ。


「心配するのは分かるけど、そろそろ例の女が来るかもしれないよ」


「ああ、そうか」


「俺達も一緒に居る。 ケリをしっかりつけようぜ」


「そうだね。 私達もあの女には引導を渡さないとね」


 不安になる翔太くんに圭太くんと七海ちゃんが励ましたようだ。

 持つべきものは友達なんだなぁ。

 そう考えていると、護衛さんのリーダーが食堂に入って来た。


「報告です。 例の女が予定より少し早めにこの家周辺に現れたようです」


「来たね。 準備はいいかな?」


「ああ」


「俺もいいぜ」


「私も」


「じゃあ、行くよ。 護衛のリーダーさん、案内よろしく」


「はっ!」


 サングラスを掛けた厳つい顔の護のリーダーさんに先導してもらいながら、僕達は暴力女のいる場所に向かう事になった。

 翔太くんにとっても、転換点となるだろう出来事がもうすぐ始まろうとしていた。




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