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くるり☆ショータイム!  作者: イズミント
第1章 幼馴染ざまぁ編
12/26

012 閑話~三限目の後の出来事(久留里視点)

 さて、僕こと九条(くじょう) 久留里(くるり)が女子生徒……正確には委員長に女子トイレに案内してもらうきっかけになった事件がある。

 あまり記憶としてはいい記憶ではないのだが、これから気を付けて学校生活を送らないといけないという自戒の元、あえて晒そうと思う。

 

 時系列的には僕が転入した当日の三限目の授業から起きた話だ。

 その時の僕は、三限目の授業の時間があと15分に差し掛かった所で突如あるものが襲ってきたのだ。


(うぅ……、あと15分と言ったところで来るなんて……)


 あるものを感じ取ってしまった僕は、残り15分を何とかしてやり過ごさないといけない焦燥感に駆られていた。

 それほど僕は焦り始めたのだ。

 僕が感じ取ってしまった、『あるもの』とは……。


(こんなタイミングで、トイレに行きたくなるなんて……)


 そう、トイレ。

 つまりは尿意だ。

 僕は不幸な事に、あと15分と言うタイミングでトイレに行きたくなってしまったのだ。


(うう、二限目のトイレ休憩も男子集団に阻まれて行けなかったしなぁ……)


 そう、二限目の終わりのトイレ休憩の時もトイレに行くチャンスはあったはずなのだが、速攻で僕と話したがっている男子集団に阻まれて結局トイレに行けなかったのだ。

 何がなんでも僕と話したいのかね、彼らは。

 一応、女子たちが阻止したり注意したりしてくれたが、聞く耳持たずだった……というか、あの集団にはそれを阻止する役目を持った男子がいるっぽい。


(あ、あと10分……! うううっ、な、長く感じる……!)


 トイレに行きたくなってからまだ5分しか経過していない事で、さらに焦りを加速させる。

 何とか授業に集中しようとするが、ここまで来ると流石に漏れそうで集中しにくい。


(あ、あと……5分……!!)


 何とかあと5分になったみたいだ。

 5分間が何気に長く感じるが、ここさえ乗り越えればトイレに行ける。

 授業が終わると同時にさっさとトイレに行ってしまおう。

 そう考え、尿意に耐えながら授業に何とか集中していたらチャイムが鳴った。


「それではこの時間の授業はここまでにします」


(終わった……! と、トイレッ!!)


 先生の終了宣言の後、起立と礼を終えてすぐに教室を出てトイレに行こうと駆け出す。

 

「どこに行くんだ九条さん!」


「なぁっ!?」


 トイレに行く方向に先回りされて、男子たちに道を塞がれた。

 こっちはトイレに行きたいのになんで……!!


「ちょっと! 通してよ!! 急いでるのに!」


「急いでる用事なんてないだろ? 俺達と話しようぜ」


「ううぅ……! だから、トイレに行かせてよ!!」


「昼休みに行けばいいだろ。 この時間は俺達と話す時間だからさ」


「くぅぅ……!」


(だめ……、本当に限界……! も、漏れる……!)


 もう限界だった。

 今にもこの場で漏らしてしまいそうな程に。

 それでも、必死で我慢しつつ、トイレに行かせてと懇願するが男子たちは行かせないといわんばかり。

 さらにちらっと見ると、スマホをこっそり掲げる男子がいた。


(まさか……!)


 嫌な予感が頭をよぎる。

 このまま僕を追い込んで、弱みを握らせるつもりなのかと。

 学校内に護衛さんが入れないのをいい事に、そうするつもりでトイレ妨害して話の時間にするつもりなのだろうと。


 しかし、そんな僕に奇跡が起こる!


「「「いい加減にしなさい、男子共ー!!」」」


「うわぁぁぁっ!?」


 突如、クラスの女子たちが現れて、僕を囲った男子たちを押しのける。


「九条さん、今よ! トイレなんでしょ!?」


「委員長!」


 そして、委員長が僕に手を差し伸べる。

 男子の陣形が崩れているその隙に委員長と一緒にトイレへ急ぐ。


「大丈夫?」


「前のトイレ休憩でも行かせてもらえなかったから……すごく不味い」


「急ぎましょう」


 委員長の早歩きのおかげか、無事にトイレに着いた。

 そして、何とか漏らさずに無事にトイレを済ませる事が出来たのだ。

 トイレの個室を出て、待っていた委員長から自称陽キャグループの男子たちは、やはり僕を漏らさせて弱みとして握らせて自分達のものにしようと考えていた事が、盗み聞きで分かったらしい。

 あのスマホを持っていた男子は、僕が漏らす様子を撮るつもりだったとか。

 過去にそういう被害もあったようで、他のクラスの女子からも警戒されている。


 なお、トイレから帰って来た時には陽キャグループの男子と委員長とこの時は顔見世しかしなかった七海ちゃん以外の女子が担任の先生に説教されていたようだ。

 ちなみに、残り二人の男子は先生と教材の片づけを手伝っていたらしいと委員長は言っていた。

 そして、委員長が手助けしてくれたのは、七海ちゃんから頼まれたからだとか。

 まるで僕に対して無理やり囲い込もうとしていると言って何とかしてあげてと言われたのだとか。

 

 とまぁ、これが三限目の後の顛末なのだ。

 何にせよ、初日で漏らさずに済んだのはよかったと思う。

 今後はあの陽キャグループの男子に気を付けないとだめだね、きっと。

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