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くるり☆ショータイム!  作者: イズミント
第1章 幼馴染ざまぁ編
11/26

011 報告(久留里視点)

前の話よりシリアス率が高めです。

「お嬢様」


「ん?」


「頼まれていた調べものの途中報告です」


 僕、九条 久留里は翔太くんと別れ、自宅に帰った後、彼にとっての悪夢の存在である暴力系幼馴染の法月(ほうづき) 恵梨香(えりか)についての途中報告を執事さんから聞くところだ。

 何故、その女の名前を知っているのかというと、初日の屋上での話を聞き、帰宅後に叔父さん……ヨッシーこと九条 義経のお父さんから殴った女の名前を聞いたからだ。

 叔父さん側からも調べているみたいだけど、ガードが固いらしく芳しくなかったみたいだから、協力して調べるという形になった。

 それで昨日の時点で分かっている事は、あの女が歪んだ独占欲を持っており、それが段々とエスカレートしていき、中学一年生の時に翔太くんとヨッシーを殴って病院送りにした時に味を占めて『言葉より暴力で』という思想に至ったという事。

 そして、ことある毎にあの女の両親が注意したり説教したりしても、都合の悪い内容には耳にせず、さらに人のせいにして暴力をエスカレートさせていっているという事だ。

 

 さて、今回の途中報告の内容はなんだろうね。


「今回はどんな内容だい?」


「実は、義経様が現在通っておられる中学校にあの女がヒステリーを起こして、無差別に怪我をさせたり破壊したりして、警察に連れていかれた後、72時間勾留する筈でしたが、一瞬の隙を突いて脱走したようです」


「脱走した!?」


「はい。 それを聞いた両親も娘を探して捕まえるつもりでしたが、なかなか見つからないようです」


「なかなか見つからない……という事は狙いは翔太くんかな?」


「義経様の叔父様の話を聞いた限りではそうでしょうな」


 しかし、あの女はどこまで歪んでるんだろうね。

 14歳になってるから警察に捕まっで『犯罪少年』扱いにされてるのに。

 自分の都合だけで通じる事はないのに……と思ったが、あの女なら無理やりにでも通させる可能性もあるか。

 脱走して未だに見つからないのなら、確実に翔太くんを狙っているとみて間違いないだろう。


「早速、翔太くんに連絡しておくよ。 あと、何人かの護衛さんを彼の周囲に配備できないか、父さんに聞いてくれるかな?」


「畏まりました」


 執事さんが僕の部屋を出て行った後で、僕はまずはメールで今聞いた内容を送る。

 そして、少ししてから翔太くんへの通話を始める。

 僕がスマホで通話を始めるとすぐに翔太くんが電話に出た。


『もしもし、茜崎です』


「あ、翔太くん。 僕だよ」


『クーか。 さっきメールが来たけど、あいつが脱走したのは本当か?』


 ちゃんと先にメールを見てくれてたようだ。

 これで説明もしやすくなるな。 個人的にだけど。


「本当だよ。 一瞬のスキを突いて脱走したみたいだからね。 あの女の事だから確実に君を狙って来るよ」


『マジか……』


 通話越しでもわかる翔太くんの驚きよう。

 あの暴力女が、翔太くんに執着する理由が分からないが、自分の都合を無理やり通させつつ、翔太くんを暴力で屈服するつもりだろう。

 そうならないように、僕も動かないといけないだろう。


「とにかく、うちの護衛さんをそっちに派遣できるかを相談しているから、決まり次第もう一度連絡するよ。 動くのはそこからになるろうけど」


『ああ、分かった。 いい加減にあの女の悪夢から解放されたいしな。 クーも動いてくれるなら助かるよ』


「念のため、七海ちゃんや圭太くんにも知らせておくから。 味方は多い方がいいだろうし」


『そっちも頼む。 圭太や七海に関してはこっちからもしておく』


「うん。 それじゃ、また連絡するよ」


 そう言った後、僕はひとまず通話を終える。

 そのタイミングで部屋のドアにノックする音が聞こえた。


「お嬢様、入りますぞ」


「うん、入って」


 さっき報告に来た執事さんが再び入ってくる。

 護衛さんの件、うまくいきそうかな?


「翔太様への護衛派遣ですが、お父上様は、お嬢様がお願いしている人員の二倍を翔太様周辺に派遣するそうです」


「二倍になった!? ……まぁ、あの女の厄介さを考えたら保険としてそうなるか」


 父さんは、翔太くんへの護衛を僕がお願いしてい人員の二倍くらいの人員で周辺に派遣するとの事だ。

 まぁ、彼が従兄弟のヨッシーと友達である事も響いているんじゃないかと思うけど。


「それで、既に派遣は終わってるの?」


「はい。 翔太様の現在住んでいる家の周辺をメインに派遣しております。 二人一組で交代制で守りに着く予定です」


「怪しまれないようにしてよ。 第三者からの通報で逮捕されたら洒落にならないから」


「もちろんお父上様からも、そう釘を刺しておりましたな」


「それならいいや。 僕も専属の護衛さんと共に行く準備をしておくよ。 幸い明日は日曜日だし」


「分かりました。 無理はなさらぬよう」


「もちろんさ。 でも早めに翔太くんの纏わりつく枷は払っておきたいしね」


 父さんが予定の二倍の人員を派遣してくれたことには驚いたが、あの女の厄介さから考えるとありがたい、

 専属の護衛さんに連絡した後、もう一度翔太くんに連絡を入れる。

 予定の二倍の護衛さんの派遣に驚いたが、ケリが付けやすくなると歓迎していたし、七海ちゃんや圭太くんにも連絡してくれたようだ。


(さて、覚悟をしなよ。 どれだけ翔太くんが心身共に傷を付けたか分からせてやるから)


 翔太くんがあの女に対する決着を付ける時は、もうすぐだ。

 僕は彼の手伝いをして、今後も支えてあげないとね。



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