Ⅱ 散策
【正午 東向き商店街】
マリーさんは眼鏡をケースに仕舞ってから、小さく息をついた。
「到着したわよ」
「はーい」
私たちはまた行基像前へ来ていた。まずは奈良町の中心的存在、東向き商店街を散策しようということになったのだ。お昼時を迎え、観光客の賑わいはますます大きくなっていた。
「どうして東向きっていうか分かるかしら?」
「お、マリー先生から問題だね」
「茶化すな、森継」
「興福寺の方を向いているから……でしたっけ」
「そう! 東にある興福寺に家屋の背面は向けられないと、西側にしか家がなかったの。今はそんなことはないけどね」
「英奈ちゃん、物知りですねえ!」
「旅行前はつい予習が楽しくなってしまうんです」
「優等生って感じだな。ほたるにも見習わせてやりたいぜ」
「なにおう」
部室の推理で打ち解けられたからか、大前君もかなり親しげな表情を見せてくれるようになった。そういう意味では、あの「探偵」にも少しは感謝するべきなのかもしれない。ほたるさんのように、人の懐に入っていってしまう才能は羨ましい。私にはないものだから。
人だかりがあったので足を止めると、店頭で餅つきが行われていた。目にも止まらぬ速さで、餅がこねられていく。
マリーさんが静かに喉を鳴らした横で、大前君が腕時計にちらりと目を落とした。
「少し腹ごしらえね。買ってくるわ」
「俺も行きます」
二人が買ってきてくれたのは、ヨモギかぐわしい草餅だった。マリーさんから餅を受け取ったほたるさんは幸せそうに頬張る。小動物みたいで可愛らしかった。
私も草餅にかぶりついた。ん、おいしい。ヨモギの香りが鼻に抜ける。爽やかな味わいが口いっぱいに広がり、ごくんと飲み込んでから残る後味も気持ちのいいものだった。
ふと、森継さんの視線に気付く。きまりの悪さを誤魔化すように、私は適当な言葉を探した。
「おいしいですね。実は食べるのはこれで二度目なんです」
「そうなのかい?」
「はい。中学の修学旅行で」
「なるほど。関東の方は京都・奈良が定番だよね」
「ええ。ですが、その時はちゃんと回れなかったので、今日は感謝しています。建物をゆっくり見たかったのに、みんな先に行ってしまって」
森継さんは隈の濃い目をじゃっかん見開いた。
「僕も寺院を見て回るのは好きだよ。良いよねえ。柱とか天井の木組みは、どれだけ眺めても飽きやしない」
「はい。優れた建築は、見るたびに新しい発見があります」
「そうなんだよ! いや、大声を出してすまない。周りに話を分かってくれる人がいなくて、嬉しかったから」
楽しげに語る森継さんは大人びた雰囲気が消えて、瞳が子供のそれのように輝いていた。おや。思ったよりも話しやすい人のようだった。不健康そうな見た目は苦手なままだが、少なくとも悪い人ではないのかもしれない。
「この後回る平城宮跡でも、大極殿を間近で見られるからね。楽しみにしておいてよ」
「ええ、期待しています」
「なあなあ、英奈ちゃん!」
と、餅を食べ終えたらしいほたるさんが腕に組み付いてきた。緑の粉が付いた頬を膨らませ、森継さんを警戒するように見つめる。森継さんは苦笑いを浮かべながら肩をすくめると、
「これは失礼。独り占めは良くなかったね」
「せやで。写真の場所、ウチが案内するんですから」
「ふふ、ほたるさんは子供みたいですね」
「えー、そんなことあらへんって」
ハンカチで彼女の口元を拭きながら、私は自らの口角が上がるのを抑えられなかった。天保高校の将棋部では後輩は男子一人だけだが、こうして見ると、同性の後輩というのも可愛らしいものだ。
しかし連れられた先で子供だったのは、私の方だった。
「し……鹿がいっぱいです!」
林を抜けたかと思うと、光が降り注ぐ空間があった。池を背景に、ぽっかり空いた平地が広がっている。そこでは数頭の鹿が草を食んでいた。首を斜めに傾けたシルエットは、愛らしいΔ型。おしりだけ白いモフモフの体毛が、私の胸の奥をくすぐった。
商店街から5分ほど歩いた場所にある、静池。真栞さんはここで年賀状の写真を撮ってもらったのだった。見比べてみて、同じ景観を臨むことができた。
「鹿がよく水を飲みに来るのよ。昔からそうだったのか、静池って名前は『鹿池』が変化したものという説があるわ」
「そうなのですか」
私は何分くらい見つめていただろうか。やがて一頭がこちらに気付くと、近寄ってきた。え。え。どうすればいいの。思ったよりも大きい。子供の身長くらいの高さにつぶらな瞳がある。正面から見上げられ、一言も発せられずにいた。
「ほら、英奈ちゃん」
ほたるさんが差し出してきたものを、私は上の空で受け取った。なんということか。それは世に聞こえた奈良鹿の好物。彼女がいつの間にか用意していた鹿せんべいだった。
「あげたげて」
「で、ですが」
見苦しいことに、事ここに至っても私の手元はもたついてしまう。すると、ああ、にわかには信じがたい。鹿はつぶらな瞳をぱちくりさせると、長い首を上下に振った。――お辞儀をしたのだ。こくん、こくんと、私におねだりをしたのだ。
か、かわいすぎる!
「い、いいんでしょうか。こんなに近付いていいんでシカ!?」
「あはは、なにそれ!」
興奮のあまり言葉を詰まらせてしまった。図らずも駄洒落になったことがほたるさんの琴線に触れたようで、すごい勢いで笑い出した。こんな風に笑うのだと、呆気にとられてしまうくらいだった。痺れを切らした鹿が煎餅を咥えたのにも、すぐには気付けなかった。
まるで、今までの態度が作り物にすら思えるような。それくらい、今のほたるさんは心の底から笑っているように見えた。幼く見えた。
そんな間に、鹿はペロリとせんべいをたいらげ、再びお辞儀を再開した。うん、可愛い。
「おい、写真撮るんだろ。さっさと並べ」
大前君が声を張り上げた。隣では森継さんが長い首にカメラを提げている。準備はとっくに整っていたようだ。
「はーい! 行きましょ、英奈ちゃん!」
そして私の手を引っ張った。彼女はアグレッシブだ。ぐいぐいとこちらの領域に足を踏み入れてくるが、嫌な感じはしない。私が見ず知らずのグループの中で溶け込めているのも、彼女によるところが大きかった。明るい彼女が話しかけてくれると、普段の何割か増しで言葉を紡いでいけた。
年賀状と同じ構図で撮った写真は、大切な思い出になるだろう。
近くの池の中にはお堂が建てられていて、水中に浮かんでいるようだった。池には空色の貸出ボートが数隻こぎ出していて、カップルが楽しげに語らっていた。
「英奈ちゃん、お堂の中行ってみましょ!」
「あ、危ないですよ」
ほたるさんに急に手を引かれ、抗議の声を上げる。池の周りは土手のように盛り土がされていたが、特に柵はなかった。水面は地面に近いくらいの高さだ。が、今は火の付いていない灯籠が等間隔に置かれていた。
「これって……」
「ああ。夜になったら明り点けるんです。一応ここも燈会のイベント会場の一つやからなあ」
今回の旅行で楽しみにしていた行事の一つに、夜に行われる燈会も含まれていた。世界遺産に指定された奈良市の一角を、一万もの灯籠の明りが照らす。毎年8月に開催される、奈良の夏の風物詩とも言えるイベントだ。
「夜も楽しみですね」
「はい!」
池の中程を横切る橋の中心は、屋根が八角形のお堂になっている。そこにも灯籠が用意されていた。
中から眺める景色もいいものだった。大前君とマリーさんは池から離れた木陰のベンチで休憩している。森継さんは池の様子やボートを写真に収めている。時折、マリーさんたちにもカメラを向ける。視線に気付いたマリーさんは、にっこりと微笑んだ。ファインダーを覗く森継さんの横顔も、どことなしか優しげで――。
瞬間、雲が太陽を隠した。気温が少し下がったような気がして、心がざわついた。なんだ、この気持ちは。ある種の予感めいた、なんとも形容しがたい感情の塊が胸を圧迫した。
欄干の陰から、カップルを乗せた小舟が現れ、通り過ぎていく。橋のすぐ下をくぐり抜けられるらしい。涼しげなはしゃぎ声が、再び夏にいることを思い出させてくれた。
ほたるさんが私の顔を覗き込んだ。
「英奈はん~、熱い視線でおまんなあ」
……なにを勘違いしたのか、どことなくネットリと纏わり付くような口調だった。
「大阪弁は捨てて、京都弁ですか」
「誤魔化そうったって、そうはいきませんで。まあワイルド系より、ミステリアスな方がタイプそうやもんね」
下世話な口調のせいか、なんともいやらしい目つきのせいか、いっそう大阪のおばちゃん感が増している。私はほたるさんを横目で見て、
「年上をからかうのは感心しませんね」
「いや、ちゃうねん。英奈ちゃんも人の子やってんなあ、ってしみじみ感じ入ってたんです」
「私をなんだと思っているのですか」
「ウチ、応援してますから!」
そして私に親指を立てた。さすがに苦笑いするしかなかった。東京にもやたらと色恋の話を振ってくる友人はいるが、ここまで露骨となると逆に清々しいものだ。
「あとで誘って、森継さんとボート乗ってみたらどうです? ええ写真撮るで~」
「私では画にならないでしょう。ほたるさんやマリーさんの方がお似合いです」
「いやあ、それはあかんわ。ウチはともかく、マリーさんはめっちゃ金槌やからなあ。絶対乗らへんと思います」
ほたるさんは自分のことには触れずに、肩をすくめてマリーさんを眺めた。確かに、ずっと池から距離を取っている。私たちがここへ来る時にも、大前君のそばから離れないように、黙ってベンチの方へ移動していた。
すると、大前君が立ち上がるのが見えた。片腕を立て、手首を指さす。
「あ、呼んではるわ。そろそろ行きましょか」
ほたるさんの腕時計を覗き見る。もう1時を大きく回っていて、驚いた。買い食いのせいかお腹があまり減らず、時間の経過に鈍くなっていたらしい。
それにしても大前君は、周りをよく見ている。斜に構えたような態度を取りながらも、タイムキーパーを買って出ることが多い。「強面なツッパリ」という最初のイメージは大きく変わっていた。
彼に限らず、水場が苦手というマリーさんの意外な弱みや、森継さんの親しみやすい一面など、野外学習部メンバーの様々な側面を知ることができた散策だった。
マリーさんは眼鏡の位置をクイと直し、すっかり打ち解けた空気をさらに盛り上げるように、声を張り上げた。
「じゃあ本命に行きましょうか。1300年祭のメイン会場へ」
「おー!」
【午後1時30分 平城宮跡】
等身大のゆるキャラがコチラに手を振っている。私は夢見心地で手を振り返した。
平城宮跡の広場で歓迎してくれたのは、マスコットキャラクター・セイント君だった。くりっと丸い瞳と、赤みがかった鼻が可愛らしい、アルカイックスマイルを湛えたサンタクロースだ。親しみやすさを醸し出す2.5頭身は赤白の衣装に包まれ、口元に蓄えられた髭はチャーミング、そして毛糸の帽子を被った頭部からはトナカイの立派な角が生えている。
夏場なのに赤と白のサンタ衣装とはこれいかに――などと野暮なことを考えてはならない。彼の魅力的な容貌にかかれば些事である。
「英奈ちゃん。握手しに行きましょか」
「は、はい!」
ほたるさんに後押しされて、夢中で念願の握手を交わす。子供っぽいかと思って、一人で向かう踏ん切りが着いていなかったのだ。また一つ、ほたるさんへ感謝することが増えた。
私たちがやってきたのは、都の一番重要な区画・平城宮の跡地だ。
「中央を朱雀大路が貫き、その周囲に貴族達の住まいなどがあったわ。そしてここ、都の最北には大極殿――今で言う国会議事堂が建っていたの」
再建された大極殿は野原の中にそびえている。電車の中から見てもかなりの存在感だったが、間近で見るとその比ではない。朱色の柱は立派で、見上げるような建物だ。当時も、さぞかし壮観だったろうと思う。都の人は遠目にこの巨大な建造物を見ながら日々を過ごしたのだろうか。
「綺麗な朱色ですね」
「丹土っていう赤色の顔料を使っているのよ。そして柱だけじゃなくて、壁と屋根瓦の色にも意味があるの」
「え、意味なんかあったん?」
「そうよ。みんなは五行説って知っているかしら」
「ごぎょう?」
「古代中国の思想だろ」
首を傾げたほたるさんに呆れたように、大前君は腕を組んだ。
「この世の全てのものは、金、水、木、火、土の五行から構成されている、ってやつだな。この5つの循環によって宇宙が安定するとされている」
「なんや『宇宙』って、めちゃスケール大きいな」
「そもそも平城京の最北にある大極殿の『大極』、もしくは太極というのは、北極星を表しているんだ。古代の都市設計に天文学は深く関わっているんだよ」
「へえー」
森継さんの補足にも、ほたるさんは感心したように頷いた。
「でも、さすが詳しいですねぇ、大前先輩」
「なんだその含みある言い方は」
「だって隼人さん、闇の力とかそういうの好きやったんでしょ?」
「お前、それは昔の話だ!」
大前君は焦ったように頭を掻いた。マリーさんはそんな様子を微笑ましく見守っていた。
「やんちゃだった彼の昔話はともかくとして」
「真栞さんまで、勘弁してくださいよ……」
「さっき大前君が説明してくれた五行は、それぞれ5つの色に対応しているの。白、黒、緑、赤、黄――大極殿にはあちこちにこの5色が使われているのよ」
「ああ、せやから柱は赤いんか」
「瓦屋根は『黒』、しっくいの壁は『白』ですね」
「正解よ、姫川さん! さらに金物の装飾は『黄』、それから、ちょっと見えづらいけど高欄っていう手すりの間に貼られた板、連子は『緑』色よ。
建物内にも五行は隠れているから、探してみてね」
「はーい!」
大極殿は中にも入れるようになっている。展示施設を兼ねているのだ。太い柱と高い天井、そして華麗な装飾の数々が目を引いた。中央には、儀式の際に天皇が座った高御座があり、左右には屋根に付いている2メートルほどの鴟尾の模型が安置されていた。どれも圧倒されるような大きさだ。
私たちは入り口から順に、壁の説明書きを見て回った。
「平城京は710年に遷都された――それは有名よね。でもその後、恭仁京、難波宮に遷都。745年に再び戻ってくるの」
「慌ただしいことだな」
遷都を時系列で整理したパネルを見て、大前君が呆れたように呟いた。これほどの都を次々に建てたのだから、大変だったことだろう。
その中でも平城京は、北・東・西の三方が山に囲まれ、南が開けた理想的な都だった。
「で、あとで見に行く朱雀門も再建されたものね」
「線路のすぐ横のあの門やな」
「そうよ。実は平城京の入り口自体はあそこから4キロメートルも南で、幅75メートルもの朱雀大路がずっと続いていたのよ」
「ひええ、めっちゃ広いな」
「でもね、ほんの100年近く前までこの辺りはただの放牧地だったのよ」
「え、ほんまですか?」
次の展示では、平城宮跡の保存運動に努めたある男性の半生が取り上げられていた。
「『棚田嘉十郎』さん?」
「そうだよ。棚田氏はもともと一介の植木職人で、自身も平城宮跡の正確な場所を知らなかった。奈良の人間としてそれを恥じた彼は、半生をかけて保存運動に身を投じたんだよ」
「へえ、えらいお方なんですねえ」
森継さんの口調も歯切れが良く、とても分かりやすい説明だった。「一応」と謙遜していたが、立派に部長職を果たしているように思えた。
マリーさんは改まった口調で説明を再開した。
「だから当然、建物なんかは残っていない。あるのは柱の土台だけね。外観についての記述もほとんどないから、再建する際には日本最古の現存する木造建築を真似たの。
はい鹿野さん。分かりますか?」
おどけたようにほたるさんを指名する。対してほたるさんは、目を泳がせた。
「そ、それはあれやな。簡単な話やけど、ここはゲストである英奈ちゃんに花を持たせるっちゅうか……」
「ぜひ教えてください、ほたるさん」
「英奈ちゃん……! 裏切ったな!?」
悲しげな目で見られた。どことなく、せんべいをおねだりする鹿の、つぶらな瞳を思い出してしまった。森継さんは吹き出しながら、ヒントを呟いた。
「金堂、と言ったら分かるかい?」
「えっと、中尊寺?」
「それは金色堂だろ」
「うふふ。正解は法隆寺ね。大極殿も法隆寺の金堂の建築様式からヒントを得たのよ」
私は立ち止まって頭上を見上げてみた。外から見れば2階建てのように見えたが、それ以上に天井は高いように思えた。格子状に朱色の梁が組まれ、淡いタッチで四神や十二支の絵が描かれていた。
「思ったよりも、天井が高いんですね」
「お、良いところに気が付いたね」
森継さんは両目を同時にキュッと細めた。もしかしたらウインクをしたかったのかもしれない。
「大極殿は二重の天井になっていて、重厚な外観になっているんだ。巨大な上部構造を支えるため、柱の先は肘木にして力を分散させている」
興奮したように顔を上気させた森継さんは、肩と肘を90度に曲げて両の手のひらを上に向け、天井を仰いだ。
「天井を支輪で高く折り上げることで、奥行きのある空間を演出している。これら天平の壮麗な建築を再現できているのも、土台に最新の免震構造を用いてカバーしているおかげだね!
古代建築の知恵と現代の技術が融合して初めて再現ができたんだ」
「なるほど。とても分かりやすいです。古代の建物を再建することの意義が感じられました」
森継さんは満足したように頷くと、夢中で天井を撮影し始めた。鼻息の荒い様子は以外な感じがしたが、ほたるさんは慣れているようで、やや冷めた目を向けていた。
「へえー。最初見た時は、これくらいの建物、現代なら簡単に作れるんちゃう? て思ったけど、大変なんやね」
「当然だよ! 歴史というミステリーに挑んでいるんだから」
「ふうん。そう考えたら、ちょっと面白れぇな」
推理好きの心に刺さったのか、大前君も感心したような顔つきで天井まで伸びる柱を眺めていた。
過去を掘り返す試み。絶えず私たちは先人たちの足跡を求めてきた。こうして建築物を再建したり、跡地を整備することで、現代の私たちが過去を疑似体験することができる。
「ウチらも、なにか残せるかな……」
誰に話したわけでもないであろうほたるさんの呟きが、やけに耳に残った。彼女たちの母校は今年で廃校となる。その歴史も、今回の文集という形でどこかに残っていくはずだ。
私が栄藍高校を訪れたことも、なにかの縁だ。私は彼ら彼女らのことを、すっかり好ましく思うようになっていた。記録でも、記憶でも、少しでも私に残せるものがあればいいのだが。そういう気持ちが芽生えた。
実は、4月1日の嘘予告にも五行の色が使われていました。気になった方は見返してみてくださいね。
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