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2.いざ学園


 入学式を迎えるのも早いもので、目の前にはずらりと椅子に座った人間が並んでいる。

 張り出されていたクラス編成表を見て、席へついた。

 クラス編成は貴族平民でわけられることなく、本当にあみだくじなんじゃないかというくらいランダムだ。

 主役たる入学生を先頭に、先輩方が後ろに座っている。ヒロインや攻略対象を見つけたい気持ちもあったが、接触を狙うわけでもなかったココアラルは前をしっかりと向いていた。

 校長や生徒会長たちの話もそこそこに、入学式が終わる。

 では新しいクラスへ行きましょう、という声について廊下を進むとき。

 耳慣れた声が聞こえた。

 そう、これは――。


「ねえカティー、今日は入学式でもうすぐ放課後になるわ、どこかにお茶しに行きましょう」


 かつての友と同じ声。

 思わずそちらを見ると、見慣れたヒロインの腕を取る、どう見ても貴族だとわかる少女。


「ミレイ、寄り道だなんてはしたないのに……新入生が居る前でそんな」


 鈴のような声のヒロイン。ふわふわ系のかわいいヒロイン。

 そんなヒロインを推し、男…攻略キャラクターとヒロインがラブラブするのを悔しそうにしながら、でもイベントカットのかわいいヒロインを見たいが故にゲームを進めていた友人を思い出した。

 そしてつい、そのひとを見ながら、彼女の名を口走ってしまう。


「ももかちゃん…?」


 途端に、ヒロインの腕にくっついていた少女がココアラルを見る。

 驚いた表情で、じっと見つめ、目が合い、そして。


「君の名は!」

「ミツ…じゃない!」


 と、叫ばれて叫び返してしまった。

 少女はパァっと笑顔になり、ヒロインをひっぱってココアラルに近づいてくる。


「あやね? それともつばさ?」

「あやねだよ」

「久しぶりね、あやね! いまはなんて名前なの?」

「ココアラル」

「私はミレイ・ケインズというのよ! 今生でもよろしくね」


 不思議そうな顔をしたヒロインをおいてけぼりで、ミレイはココアラルに、貴族らしからぬ挨拶をしたのだった。




平民には苗字がなく、名前だけの設定となります。王族はもうちょと長い。

前世の名前は下の名前のみ登場します。

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