112.合宿終了
ミレイとカーティアが集合するころにはその他全員が集合していた。
アラルドとコンラートとパーデラの3人は念入りな準備運動までし出している。ココアラルとユーリはそれを眺めており、ミレイたちに気付いてそちらを見た。
「ユーリたちは、もう準備運動終わったの?」
「ミレイ姉様が来てからと思いまして」
「じゃあ、やりましょう」
基本的な準備運動を終え、7人揃って、再度ルールを確認する。
「3時間で、自分のペースでできるところまで。距離の中央の目印は赤い旗よ。合図が鳴るまでに辿り着かなかったら、来た道を戻ること」
「無理して走っちゃダメだよー。倒れちゃってもすぐ助けられないからね」
「身体強化するのはアリか?」
「魔法の特訓じゃないけど……手を抜かず走れるなら、アリでしょう。5周くらい走られますか?」
「5周も行けるかな……」
アラルドがちらりと見える範囲の外周を確認する。
「ああ、敷地の境界は、塀か柵があります。それに沿って走ってくださいませ」
「わかった」
「今回も競争すんのか?」
「元の差が激しすぎるからナシね。結果が予想できるというか……」
「競争したところで負けるのですから、そのようなこと気にしてどうなさるおつもりでしょう?」
「負けるかはわからねえだろうが」
「あたくしに勝てる自信があるなんて、身の程しらずですわね」
「あぁ? アラルドサマにはわかんねえけど、女には勝てるわ」
「傲慢もここまでくると傑作ですわね。そもそも男女差別なんて古典的なことを」
「はーいじゃあもう質問ないわねー! スタート!」
恒例となりつつあるパーデラとコンラートの口喧嘩をさておき、時間ももったいないので強制的にスタート。
ココアラルとユーリ以外が魔法で身体強化をして走り出した。
「あー……魔法ってべんりぃ……」
「ぼ、ボクもまだ上手く使えませんから……」
「……一昨日使ってたの知ってるんだからね。なんだか気を遣わせちゃったな。先に行っていいよ?」
「いえ、自分に対して、しかも継続し続けてはまだ不安なので」
既に3人の後ろ姿すら見えず。ギリギリ、ミレイとカーティアが見えるくらいだ。
たまに徒歩休憩を挟みつつ、3時間足を止めることなく進むことはできた。ココアラルとユーリは結果赤い旗まで行けずに戻ったが、その間アラルドたちには何周か抜かれている。
ミレイとカーティアはちょうど1周、パーデラとコンラートは3周と少し、アラルドは4周半だったようで。
「元の差って言ったじゃない。技術と継続力は、幼い頃から精鋭の家庭教師に鍛えられてる殿下に敵うわけがないわ」
「はは、だが、5周は、さすがに、厳しいな」
アラルドもそこそこに呼吸が乱れているが、コンラートは伏しているし、パーデラもぐったりと座り込んでいる。僅差でパーデラのほうが長距離を走れたようだった。
その後、呼吸を整え、着替えとシャワーを済ませて昼食を取った後、再度馬車に乗り込んで帰路についた。
やっと合宿を終えました!!長々と失礼しました。
ついに仕事が在宅勤務になりました。交互出勤だから1日おきですけど。在宅勤務と出勤勤務を繰り返して、曜日がわからなくなっちゃいそう。