第三王女
* *で挟まれてる部分は読まなくてもおっけーです
そこら辺に生えているイネ科と思われる植物を魔法で繋げ、加工し縄にした。その縄で頭目の男をで縛ったあと、尿にまみれた王女を介抱する。草木の水分を少しずつもらい水で全身を洗い、火と風で温風を作り出し、体と服を乾かす、かなり乱暴に扱ったが途中で起きることはなかった。王女からもとりあえず情報を抜こう。
王女が目を覚ます間に、さきほどの実験結果と抜き出した情報をまとめ整理した。
実験結果から今の時代は1万年前の時代に近しいようだ。暴力と魔法と宗教が暴威をふるう時代で魔法が学問としてはまだまだ未熟なためか突き抜けて素養が高い者には加護があるとされてるようだ。移動手段も馬に近しい生き物だったり、徒歩だったりと文明的には原始的だと言わざるを得ない。
この近辺はアズワルト王国と呼ばれるおよそ200年続く国の領土であり、この第三王女はウスリム辺境伯の所に向かっている最中であったようだ。ウスリム辺境伯の次男坊の容態が悪く、神官や医者はさじを投げたが、第三王女であるレイ=バーンテッド=アズワルトが神の加護を受けた聖女であるとされため、辺境伯が王家に願い出て治療を施してもらいたいとの申し出を王家が受託し聖女が辺境伯のもとへ行く道中だった。辺境伯は人情味があり、この国に必要な武の力があるため重宝されために王家はこの願いを拒否しなかった。しかし聖女は国に無くてはならない力、そこで聖女は少数の部下を引き連れてここまできた。道中で足である馬のような生き物を捨てざる負えなかったりと割と波乱万丈でこれだけ小説が書けそうだ。この頭目はどうやら、隣国の貴族に雇われ聖女をかっさらう依頼を受けていたようだ。他にも・・・・
* ってやめだやめ。俺はこういったごたごたな政治が嫌いだ。生理的にとしか言いようのない。自分を縛り付けいいように使おうとされた、過去があったからかな、人の企みや野心などもしったこっちゃない。簡潔に言えば面倒ごとは非常に癇に障る。あと嫌いなものは神とかいう存在しないものも嫌いだ。加護?なんだそれ?ただ素養があっただけのこと。なにも知らず、わからないなら神だと?それは敗北だ、自分に負けた愚か者の考え方だ。だがこんなことに突っかかるのは愚者ではなかろうか。そもそも賢者とか言われたが賢く生きることが出来れば1万年もの生を得ずに満足して安らかに眠れたはずだ。と無駄に思考を広げるとともに時間は過ぎていく。明文は一時の集中力は大したものだが一点にそれを集めることは苦手なようだった。 *
日が沈むころに第三王女は目を覚ました。目は一点を見つめ、今しがた脳内で状況の把握に努めているだろう。その後すぐに素早く体起こし周囲を見た。そこには手足を緑色の縄で縛られた頭目の男がいた。
「おはようさん、体調は平気?」
「ッ!!!」
彼女の頭上に彼はいた。空中に浮かび、片手にノートのような黒い板を持ち、片手はその黒い板を指でなぞっている。明文が微笑んでフランクな感じで話しかけるも、王女にとってその軽い笑みは不気味であり、いっそう震えを再発させる。
「・・・私をどうするつもりですか?」
恐れを振り払い、勇気をもって男に問いかける。ある程度の覚悟を決めて。
「あーええっと、俺は明文という魔術師だ。襲われていた君を助けたのは君みたいな高貴な者から恩賞というか報酬が欲しいからなんだけど。」
「・・・私の命を?」
「いやいや、違うって。ただこの国の生活の風景や文化を知りたいだけさ、実は。この森にこもっていたために国とか文明とかに疎くなちゃってね、それを知りたいのさ。」
「・・・・そうですか。」
ホッと王女の口から貯め込んだ空気が漏れ出た。峠を越したと思ったのだろう。しばらく間があき、緩んだ瞳が急にキリっと明文を見る。
「助けていただきありがとうございました。私はアズワルト王国第三王女レイ=バーンテッド=アズワルトです。今はここから南にあるウスリム辺境伯のもとに向かう旅の途中でした。恩賞を出すには一旦辺境伯のもとへ行かなくてはなりません。旅を辞めるわけにはいかないので、
魔法使い様、お願い申し上げます。そこまで一緒に行ってくださいますか?」
決意が見えるその目とその胸から見える双丘の股で明文に訴えかけた。
すごいなこの子、打算でこちらに踏み込んできたよ、恩賞の代わりに自分の安全の保持を求めてきた。いきなり、最低限の目的をカードとしてを切ってきたところから見ると思い切りがいい上に頭の回転もはやい。仮に俺の情報が得られなかったとしても自分の優先される目標だけを達成しにきたな。このぶんだと道中で詮索されることも最低限にとどめるだろう。俺の機嫌を損ねない振る舞いをするな。とても17歳とは思えない。王族たる由縁を見たな。後、この子は聖女と言われてるくせに処女じゃないから肝が据わってんだろうな。女の武器をこれでもかというほど使ってきたよ。
明文はレイに感心した。彼がつい最近までに会った10代でここまで肝が据わっているものは少数だったからであり、自惚れであるものの明文にはっきりと物を言える若者はそうそういなかったからだ。
「わかった。それでいい。とりあえずもう日も落ちたから、明日の朝から出発していいかな?」
「はい、それでお願いします。」
もう疲れたのか、目を閉じるとストンと意識を失うレイ。明日まで待つ必要は本当はなかったのだが、変に人に気を使う明人は朝になってから行動すればよいと判断した。実験結果と王女との会話を記録してから、思考に溺れる。彼の夜が更けていった。
お読みいただきありがとうございます。
えたるかもしれませんが頑張ります。
乾燥ください。じめじめします。
ちやほやされたいです。