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短編~夢日誌~

作者: 島忠




   

       四月――出会いと別れの季節だが、彼女にとっては出会いの方が九割を上回ってい

      た。 

       ――座右の銘は、友達と書いて他人と読む。

 

     高校生――中学と言う義務教育が終わり、中学の嫌で嫌で仕方ない友達と言う他

      人と別れまた心機一転一から始めようとしていた。

       あんな、小学生と一緒にいた連中と別れられるのがこんなにも清々しいとは思っ

      てもいなかった。

       高校ではキャラを作り、完璧淑女をたしなむ女子になり、学校の権力ピラミッド

      で上位に食い込み楽しみたいと野望を私は抱いていた。


       彼女は小学生時代トラウマでいじりと称した、いじめがあった、先生はその現状

      を気づいていながら、放置。それもそうだよね。

       先生同士がいじめをしているのに、いじめは駄目だよ! なんて言えないよね。

       小中一貫校で、小学生の友達がそのまま繰り上がり中学も良いとは言えない形に

      なった。それでろくな出会いも、親友と言える友達も作れなく嘆きに嘆いていた。


       だが、それも昔々。高校生活が充実していたわ。勉強もした、わざと頭の悪い方

      に行き勉強も全然付いていける。

       クラスに一人はいる、頭の良いキャラに私はなりつつあった。

      

       高校の権力ピラミッドで、上に居ると周りがより見えるようになる。いじめられ

      ている人を見ると昔の自分と照らし合わせて見たり色々と思うが――傍から見てこっ

      ちがイラつくくらいいじめられている、男がいた。

       彼の名は――知らないが、見たことあるようで思い出せない。

       

       そんな私の心に引っかからず、月日は流れ、ある冬のスキー合宿の日だった。天

      気は大荒れ、雷が鳴り響き一旦全員集められた。

 

       なぜ、あの時私は強がったのか。雷の事を怖くないと言った。内心ビビりまくり 

      で心がタイタニック号並みにやばかった。

       だが、天才は冷静って妄想があり。それのキャラが抜けきれなかった……雷が鳴る

      たびに体をビクつかせたが、友達と呼べる人間は私の気持ちをどう察したのか声を

      掛けてこない。怖くないって今からでも撤回したいと心から思った。

       その時、

      「大丈夫?」

       その声に、猫のように驚き変な声を発しそうになる。

       目の前を見ると彼がいた。いじめ……いじられている彼が私に声を掛けた。彼を見

      ると、私と同じように雷が落ちる度身震いしていた。

      「あなたこそ、怖いんじゃないの?」

      「うん、怖いよ」

       彼は陽気に答えた、そういうとジャージで顔を覆い身震いした。


       彼は雷が本当に怖いかどうか知らないけど、自分で怖いと言って安心させたのか

      もしれない。

       それか、素で怖いのかもしれない。なぜ、来たのか今でも分からない。

      た。

       怖い物を怖いと言える姿、誰も来なかったのに祐逸来た彼の姿――は……

   

       ……ってもう寝ちゃったか。娘から聞いたのに、ったく……。


       そんな眠っている娘に対して、言った。

       大事なのは、言う事よ。だから私も言うよ。

       

       誰も来なかったのに祐逸来た彼の姿は――とってもカッコよかった。

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