探検僕の町(極小)3
書き溜めてないので、仕事でトラブルとどうしても不定期になりがちです。その辺りご理解頂けると有難いです。大体、週2から3ぐらいでしょうか? それ以上開きそうな場合は、活動報告に一筆いれる予定です。
暗闇の中を進んでると気が付いた事がある。この通路、埃が積もって無いのである。隠し通路ではあるが、ナナが定期的に掃除してる可能性が高いな。まぁ、こんな所、放置してるわけ無いものなぁ。
少々残念に思いながら、ゆっくりと僅かに螺旋を描いている階段を上って行く。
・・・はて?
多分ではあるが、100段ぐらい登った気がするところで首を傾げる。想定よりも、長いと言うか、かなり長い。何か家の高さ超えちゃってる気がするんだが・・・。俺の把握してるのより、上の階層があったんだろうか。4度目になる灯りをつけてみると、ちょっと上が踊り場となって行き止まりとなっていた。
ざっと調べると、更に巧妙にはなっているが、同じような仕掛けが壁際に見える。まぁ、ここまで来た以上、押してみるしか無いわけで、俺は、灯りを消して近づき、力を入れてスイッチを押した。
良く良く考えれば危険極まりない事だよな。それに気付いたのは頭の上を何かが通り抜け階段にぶつかった音が響いてからだ。・・・冗談抜きに、俺が赤ん坊サイズじゃ無かったらまずかったんじゃ無いか? しゃがみ込んでいた大人だったらもろ頭射抜かれてた気がする。明晰夢で何でこんな冷や汗が止まらんような目に合わなきゃならんのか・・・いや、明晰夢だから都合良く助かってるのか? 暫らくして、大きな鼓動を打ってた心臓の動きが収まると、俺はようやく扉の中に目を向けた。
そこは小さな書斎のようだった。壁に取り付けられたランプが煌々とと部屋を照らしている。俺はのそのそと、部屋の中へと入って行った。部屋はそれ程大きくない。良いとこ6畳ぐらいだろうか。縦長で奥に机が両側の壁には天井まで続く本棚で埋まっている。書斎でなければ書庫と言っても良いかもしれない。まぁ、大きさから考えれば書斎だな。
本棚には空きがない。ぎっしりと本が詰まっている。背表紙を見る限り読めそうな本は無さそうなのがなぁ。収穫といえば収穫だろうが。
ともあれ、赤ん坊が、長いこと居なかったら騒ぎになるのは目に見えている。今日の所は引き上げるとしよう、と思った。
『なんじゃ。もう帰るのか?』
引き上げようとよちよち歩きで後ろを向いた所で声をかけられるまではな。
見上げる俺の視線の先で、俺を見下ろしているのは、どう見ても絵画だった。