探検僕の町(極小)2
再開します。
まずは、何はともあれ灯りだな。これは、残念美人女子高生母の魔窟からがめて来た。所謂、チャッカマンに近いライターだ。多分床に置かれていた資料の束の下に埋れていたので、きっとこの資料やら本は燃えない処理がされているのだと思う。
・・・燃えないよな? きっと燃えないに違いない。
まぁこれを、母の部屋にあった小さいタンスの一番下の引き出しに閉まって置いたのだが、予想通りそのままになっていた。おかけで、必要な時に取り出せるので有難い。
このライターだが、どうも魔道具のたぐいと言う設定じゃないかと怪しんでいる。何度か使ってみたところ、凄く疲れた感じがしたのだ。何度も試した結果物凄い睡魔が襲って来て、何とか引き出しに閉まったところでダウンした。最初はこんな事で体力使い果たすのかとも思ったが、その後ハイハイでは全く疲れないことに気付いたので、何か体力以外の物が消費された事になっているのでは無いかと判断したのだ。何度も試したけっかだか、今の俺の状態では、20回が限度のようだ。最初触った時は10回も使えなかったはずなので、増えてきてはいるようだ。慣れのレベルなのかは判断付かない。
このライター、幸いな事に紐の輪っかが付いているので、腕にかけて引きずっている。母の部屋は散乱物のお陰で音は殆どしなかったんだが、廊下だと結構響く。とっとと、隠し扉の中に入ってしまおう。
俺は何度か試した通りに扉を開き中に入った。予想通り、中側にも同じ出っ張りがあって、押すと扉は自動で閉まった。そして、予想通りに真っ暗闇になった。暫らく目を閉じ開いて見ても全く見えるようにならない。完全な漆黒と言う奴だな。俺は手探りでライターをつけて見た。
この場所は通路の途中らしい。上へと向かう階段と下に向かう階段がある。ちょっと迷って取り敢えず上を目指すことにする。探索は上からとスティーブも言っていた。マイ⚪︎ラの基本だ。
俺はライターを消すと、暗闇の中を手探りで、ソロソロと階段を登って行った。