苦労は好きですか?
そこそこかきたまったので、ちょっと整理中です。新規投稿ではありません。
諦めて文字を覚えている今日この頃、如何お過ごしでしょうか。
俺はめげているとも。英語も苦手だった俺に、架空言語とかどうしろと・・・。いや、ぶっちゃけると、ほぼ英語まんまなので、寧ろ苦手意識が刺激されて0から覚えるより時間が掛かってる感じが・・・。まぁ、夢でも架空言語は出てこんよな。
もちろん『魔道を辞めたい人の為の本 』は、ちゃんと進めているとも。
ただ、その弊害と言うか、翻訳してもらっている弊害と言うか、両親やナナの話している言葉が頭に入りにくくなってきてる感じがしてきたのが事の始まり。と言っても最初に気付いたのは、トレッキンの指摘からだがな。
そう言う事例が報告された事があり、初期の魔道の入門書でも引き合いに出されてたりするらしい。曰く、「あんまり早い時期から教えると、脳に焼き付いて治せない変な詠唱の癖が付いたり、普通に会話するための言葉などが、中々覚えられなかったりと言った問題が出るので、小さいうちから教え込む場合は、正しい魔道の知識と、普通に話すべき言語を、正確にきちんと徹底的に、どちらも同じレベルで、教え込む必要がある」だそうな。
高位の貴族家の次男以降なんかだと、実施される場合もあるらしい。跡取りは確保してからでないと試せないレベルの危険度って事ですかね?
でだ。問題は、魔道の呪文の構成ってのが文字そのものに意味を持つ言語体系、所謂日本語なわけだよ。もう、とことん教育が偏ってるわけだよ。
まぁ、そんなこんなで、俺はトレッキンの幼児向けスパルタを受ける羽目に陥ったわけだ。目が覚めてから役立ちそうなので、嫌々頑張ってはいるがな。
「ふぅ」
『うむ。良かろう。一応、合格とするぞい』
集中が途切れた途端、掛かってくる疲労感が半端ないんだよなぁ。
『しかしのぉ』
「ん?』
トレッキンが、何かしみじみと呟くのに、無意識レベルで相槌をうつ。集中力が、半端ないレベルで付いたとは思うんだが、その分疲労の度合いも明らかに酷くなってるんだよな。
肉体の疲労は、気功で結構なんとでもなるんだが、精神的なのがどうにもな・・・。
『もう、無理だと思っとったが何とかなるもんだぞい』
「・・・何?」
こいつ今、何て言いやがった?
『まぁ、どうせ根気良く教えても無理だと思ったが、わし根詰めようが疲労せんしな。良い暇潰しになったぞい』
目の前でトレッキンが、絵の中で髭をしごきながら、ほっほっと笑う声が耳に響く。
『思考のしっかりしてる幼児脳の持ち主が、暇にあかして1年必至にやっても酷いレベルだったから、こりゃ何か問題があって覚えようが無いのかと思ったら、どうしてどうして。3年かければ、なんとかなるもんじゃなぁ。人間、笑顔とジェスチャーでどうとでもなると言うのも含め、非常に意味ある観察だったぞい』
「こんの、糞ジジイっ!」
イラッと来る朗らかな笑い声を響かせるトレッキンを睨みつけながらも、俺は何とか間に合った事に安堵もしていた。
いよいよ、明日は幼年学校の入学試験に出かけるのだ。