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逆ハー狙いで頑張ります

作者: 左に右折

よく乙女ゲームの世界に転生して傍観主なんて小説があるけれど、基本的に途中から傍観主じゃなくなるあの謎の現象。乙女ゲームの主人公の親友とか主人公をいじめる悪役とかに基本成り代わったりして「巻き込まれたくない」という思いから傍観に徹するといいながらも、何故か途中で傍観主が逆ハーにすり替わるという超現象。天然無自覚な乙女ゲームの主人公を傍観する傍観主とかいうけど、傍から見れば「天然無自覚に逆ハーを積み上げていく女の子」だから。貴方もはや傍観主じゃないから、主人公格だから。


ということでして、とある乙女ゲームの世界に転生したんで逆ハー目指したいと思います。


「で、それは俺にいうことか」

「うん、幼馴染だし、ていうか攻略キャラとしてだされた君が幼馴染の時点で私勝ち組じゃない?」

「いや、それで俺がお前を好きになるかどうかは別だけどな」

「いやいや君絶対私のこと好きになるって、後私電波とかそういうんじゃないからね!」


なんなら証明に君の全てをあててみせよう!と叫んだ後に息をすって再び口を開く。


「まず、誕生日は2月14日!」

「まあお前と同じ日に同じ病院で生まれたし小さい頃から知ってたろうな」

「血液型はB型!」

「一緒に検査にいったよな、母さん方とさ」

「好きな食べ物はピーマン!」

「お前が好き嫌いしてピーマン全部俺によこすもんだから病むをえずな」

「嫌いな食べ物はしいたけ!」

「誰だっけー、俺の口に無理矢理しいたけを突っ込んだのーあれトラウマになったんだよねー」

「まあそれは置いといて、身長は174cm!」

「昨日身体検査ではかって一番に俺の身長聞きにきたやつは誰ですっけ」

「ああもう!じゃあ君の過去をずばりあててみせようじゃないか!」

「小さい頃からお前と一緒にいるんだからお前が知ってて当たり前」


なんだよコイツ、折角の私の転生特権が効かないなんて。まあ幼馴染っていうぐらいだからこいつの過去の一部ですけどね私は。結構これは自慢になると思うんだ、高校になって乙女ゲームが始動しはじめたらこいつは中学の時以上にもて始めるだろう、顔よし頭よし運動神経よし、兄貴肌でなんだかんだいって世話焼き。そんな、かの有名になるであろう柊忍(ひいらぎ しの)の幼馴染ときたらねえ。  


「中々だわ、お前ぜってーモテるわ。高校入ったらモテるわ、最高にモテるわ。今から君をキープしておきたいぐらいだ!」

「お前ほんっとそれ本人目の前にしていうことじゃねーよ、キチガイ。性格ブス」

「そんなの今に知ったことじゃないでしょう、口の中がしいたけでうまった日から君はもう気づいていたはずだ」

「うるせーよ」


頭をぽりぽりと掻きながらあのよ、と再び口を開き何かを話し始めるこいつ。


「なに、どったの」

「お前は俺がお前のこと絶対に好きになるとか言うけど、お前はどうなの」

「何それ、偶問。大好きに決まってんじゃんばかやろー」


今更恥ずかしいこと言わせんな!なんて言えば忍はみるみるうちに顔が赤くなる。たっく、大好きに決まってんだろ、なんたって逆ハー要員ですから。それにもはや家族の一部?っていうの?逆ハー要員っていうよりそっちが強いかもしれない。だから逆ハー要員兼家族+家来みたいな。


「じゃ、じゃあよ。これ、から」

「うんうん」


「お、おれにさ」


うんうん、こいつどもどもしてるなあ。もう私とこいつの仲だというのにはっきり言ってくれればいいのに。


「毎日味噌汁作ってくれよ」


「うん?」


何いってんだコイツ、ついに頭がいかれたのか、私にキチガイキチガイ言うくせに。しょうがないやつだ。幼馴染として恥ずかしいぞ。


「もう毎日作ってんじゃん」


だっておばちゃん朝仕事でいないからこいつの朝ご飯はもはや私が作っているようなものではないか。味噌汁だって私がつくってるわ。ちょっともうこのこったらボケちゃって。


「つ、まりOKってことか、つうかそれ以前にもうそういう関係だったってことか」


ぶつぶつとまた何かつぶやき始めたのでコイツ何かに憑かれてるんじゃないかな。


「あーもううるさいな、いつでも味噌汁つくってやるっていってんだろばかやろー!!」


胸をドンとはってそう言えば忍の顔はぷしゅーと謎の音を発して赤くなった。はは、味噌汁つくるだけで顔を赤くするとかお前どんだけ味噌汁好きなんだよ、攻略本にそんなことのってなかったんだけど。


「たっく、世話がやけるー」

「お前もな」


その後くだらない会話をした後、私は忍の家を後にして隣の自分の家に帰宅しお風呂に入った後眠りについた。翌日の朝、いつも通り忍が家に玄関まで迎えに来て「ん」といきなり手を差し出されたため、何だこいつお手ということか私は犬かと思いながら手をその上にのせてやれば握られてお母さんがにやにやしながら「若いっていいわねえ、忍くんなら安心だし、どうしようもないうちの娘を頼むわ」と言って、忍はその言葉に顔を真っ赤にさせながら「し、あわせにしますから」と言った、待て待て私だけがこの展開についていけないんだが。

「味噌汁つくってくれ」訳 :付き合おう

「もう前から作ってんじゃん」訳:前から付き合ってるだろばか

「(前からだ……と!?)これはつまりOKってことかいや……」

「うるせーな、いつでも味噌汁つくってやんよ」訳:いつでもお前の隣にいるから

これは柊の脳内変換です。

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[気になる点] 失礼ながら、傍観主ではなく、傍観者では?
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