2.にせ魔王騒動
ドリューが仲間になって半日。緑は宿を取って部屋で休んでいた。
「なあ、姉ちゃん?」
緑をそう呼ぶのはドリューだ。
「何?」
「勇者を倒すったって、今のお前さんで勝てるんかい?」
「さあ……」
(拳銃ないと辛いかも)
ドーン!──その時、外で爆発が起こった。
三人は外に出た。
広場にモンスターを連れた女がいる。
「私は魔王。この町を渡せ」
「ミドリー様の偽物ですか」
「ドリューのおじさん、腕試しするわよ」
緑は偽物の前へ飛び出した。
「何だ、貴様?」
「本物の魔王よ!」
「ちょっと待ってくれよ」
ドリューがやってくる。
「行きなさい」
にせ魔王の命令でモンスターが襲ってきた。
攻撃をかわす二人。
「はっ!」
緑はモンスターを蹴り飛ばした。
ヒューン!──どこかへ吹っ飛んでいくモンスター。
「小癪な!」
にせ魔王が緑に襲いかかった。
緑は攻撃をかわす。
「攻撃は当たらなきゃ意味がないわよ」
緑はにせ魔王の腹に膝蹴りを浴びせた。
「ぐっ!」
怯むにせ魔王。
ドリューはにせ魔王に攻撃。
にせ魔王は攻撃魔法を唱えた。
「ぐっ!」
「あべら!?」
緑とドリューは魔法を食らった。
「偽物の分際でなかなかやるわね」
緑はにせ魔王に連続攻撃をした。
攻撃が三回当たった。
にせ魔王は回復魔法を唱えた。
にせ魔王は回復した。
「おらよ!」
ドリューの攻撃。
会心の一撃! にせ魔王は倒れた。
「あんた何者?」
「私はただの魔物使いです。すみません、もうしません」
にせ魔王、元い魔物使いは去っていった。
「お嬢さん方。あんたら強いね」
おじいさんが声をかけてきた。
「ワシはこの町の町長をしてるもんだが、騒ぎを食い止めたお礼にワシの家でお食事でもいかがかな?」
「でも、もう宿も取ってあるしなあ……」
「では宿代を払ってあげよう」
町長が宿代をくれた。
「ありがとうございます」
「じゃ、ワシはこれで」
町長は去っていった。
緑たちも宿へ戻った。
その夜、緑たちの噂は瞬く間に町に広がった。そして、夜が明けた。
「カルロスくん、ドリューおじさん、おはよう」
「ああ、おはようさん」
「おはようございます」
「じゃ、行きましょう」
三人は宿のチェックアウトをし、オムロンの町を後にした。