表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本転生― Sphere Japan ―  作者: 進学したスライム
器の準備

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/11

日本転生― Sphere Japan ―序章

今後ともヨロシク

序章:球体日本

空を見上げると、そこには大地がある。

かつて青空と呼ばれた場所には、今、逆さまになった廃墟のビル群が張り付き、錆びついた鉄塔が雲を突き刺している。

地平線は緩やかにカーブを描き、そのまま頭上へと競り上がって、空を一周していた。

あの日、日本は地球から引き剥がされ、ひとつの「球」になった。

北の天頂には、人工太陽が照らす管理された楽園、京都。

南の底には、重力とヘドロに沈んだ魔界、出雲。

そして中央には、鉄と蒸気が唸りを上げる機械都市、東京。

47の都道府県はバラバラに砕かれ、無理やり継ぎ接ぎされて、この歪な球体を作り上げている。

人口は4分の1に激減し、紙幣はただの紙くずとなり、命の値段は「エン」と呼ばれる硬貨一枚に変わった。

ここは、逃げ場のない空中の箱庭。

神と悪魔と人間が、互いの領土テリトリーを奪い合う、終わらない戦争の檻。

それから、3年の月日が流れた――。

***

かつて愛知と呼ばれた場所。

今はどの勢力にも属さない、無法の荒野トワイライト・ゾーン

崩れ落ちた大学病院の地下深く、瓦礫と鉄骨が幾重にも重なる暗闇の中に、その「繭」はあった。

青白い炎で織り上げられた、高熱の繭。

周囲の瓦礫はドロドロに溶け、冷えて固まり、ガラスのようなドームを形成している。

その中心で、止まっていた心臓が、ドクンと跳ねた。

熱い。

血管を流れるのは血ではない。溶岩のような熱だ。

3年間の眠りから、依代システムが再起動する。

ジュッ……。

繭に亀裂が入る。

隙間から漏れ出した青い光が、闇を切り裂いた。

硝子の心臓と、鋼の肉体。

全てを焼き尽くす「神の炎」を宿した少年が、ゆっくりと瞼を開く。

「……ここは」

掠れた声とともに、彼――**サカキ カイ**が息を吐くと、その吐息すらもチロチロと青く燃え上がった。

世界の形が変わってしまったことなど、まだ何も知らない。

ただ一つ、強烈な喉の渇きと、燻るような「怒り」だけを抱いて、最後の希望が目を覚ました。

(序章・完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ