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1 異世界に 巡る転生 是非もなし
死んだ魚を見た
どこまでも目が濁っていて
吐き気のするにおいがした
腐っている
自分もきっと同じだろう
何度目の転生だ
もう覚えていない
どこまでも続く螺旋の下降に辟易していた
お〜い
ふと、呼ぶ声が聞こえた
幼馴染が読んでいる
ここは小さな港町
浜辺に打ち上げられて死んでいた魚から目を離し
呼ぶ声のする方を見る
どうやらお昼を呼びに来てくれたみたいだった
いつも世話焼きをしてくれている
親は気味悪がって近づこうとはしてこないが
彼女は甲斐甲斐しくしてくれている