表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

店員募集

作者: 藤乃花

金欠の金尾呉かねおくれはある日、好条件の求人記事を見付けた。『洋菓子店のマスコットの中に入ってみませんか?年齢は問いません。時間一日のうちいつでも大歓迎!日給一万円~勤務地最寄りのぷぢ屋。連絡方法、直接お越し下さい。履歴書不要。仕事内容、マスコットに入って、お店の横に立っているだけでOKです!ご応募お待ちしております!』「おおおっ!日給一万円?良い!こりゃ誰かに先を越される前に行くぞ!」鼻息荒く呉は急いで出掛ける準備をし、最寄りのぷぢ屋まで走っていく。家からぷぢ屋まで約五分、まずまずの距離だ。自動ドアを潜り、息を整える呉。「いらっしゃいませ」「あの……求人をみて来たんですが、マスコットの……」店員は呉をみて、笑顔を見せた。「ああ!ピコちゃんマスコットのお仕事、ご希望ですね!」店員の様子からだと、他にまだ希望者は来店していないものと見た。(やったぞ!ライバルはゼロ!後は面接をクリアすれば、日給一万円……!)呉の目は¥マークと化していた。(ガツガツしてたらイカン!誠実に接せねば!日給一万円……)頭の中は、一万円の事しかない。面接の際は、ほぼ何を話していたか『記憶に御座いません』だ。帰宅後ぷぢ屋から、連絡が来た。『面接合格となりましたので、明日からお仕事宜しくお願いします』「あ、ありがとうございます!こちらこそ、宜しくお願いします!はい、失礼します」(一万円!五日勤務で、二十万円‼)呉は暫く自室で小躍りした。そして初勤務の日。ぷぢ屋の店の真横に……マスコットに入った呉がいた。(痛い……狭い……しかもずっと体育座り……)ピコちゃんのあの、小さな人形の中、オムツを装着させられた呉が半泣きでいた。着ぐるみではなく、あの人形。現実とは厳しいもの。(食事はエナジードリンク……しかもこの中冷たい……しんどいけど、一万円……!)収入の良さを自身に言い聞かせ、呉はただただピコちゃんの中で耐えるのだった。(一万円!)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
過酷な仕事だったのですね_(:3 」∠)_ よく耐えたな…すごいぞ呉!と思いました。一万円は何に使ったのだろうか(゜∀゜)?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ