彼女を探しに異世界へ
この世には都市伝説が多く存在するけど、最近、というか十数年前からそういう類の話は「扉」に関することが専らだ。何せその扉自体が存在することは自明なんだから。誰にも予測できないタイミングで誰にも予測できない地点に、ごく稀に出現しては消滅する謎の扉。一度入るとそこまで、出てきた人はいないといわれる扉。そんな扉は「向こう側には何があるのか。」って話題が普通に雑談のタネになったりするぐらいこの世界に溶け込んでる。
3年前の、思い出したくもないけど、絶対に忘れちゃいけない大切な人との最後の思い出の日、その日に、俺は扉を見たんだ。