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転生しても人間だった件  作者: ヤチ
1/1

one


キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン


チャイムの音が人生の終了の合図と思ったのは

自分だけだろうか。

赤点だ。赤点確定だ。



「はい、終了。答案後ろから前に回してください。」


ガヤガヤ


「はい、テスト結果については、来週発表しまーす。

30点以下は赤点だから追試ね。はい、では終わります。

お疲れ様でした。」


《お疲れ様でしたー。》


「ハルト、お疲れサマー!でも今はウィンター。テストどだった?」


こいつは、リク。

つねにしょーもない小ボケを言う明るいやつ。

こーゆーやつは基本バカなんだが、リクはクラスで1.2位をとるくらいの成績優秀者。バカで賢い。


「お疲れー。リクー。はぁ、赤点確定やー。ちょっと勉強してんけどなー。黒木のテスト、まじでむずいねん。」


「ハルトあかんかったんや笑 まーこんな紙切れの上で人の評価なんて決まらないよ。」


こいつは、ケント。漢字で書くと、賢人。

そう賢い人と書いて賢人だ。


「ケント、あんたも赤点でしょ!点とれてから言いなさいよ!笑」


この子はナツキ。

頭も良く、顔も可愛く、性格も良く、神が全てを与えたといっても過言ではない。一つだけ悪いところをあげるとすれば、1週間に1回、左右違った靴下を履いてきてしまうところだ。


「うるせえよ!ナツキ!答えがあるものにオレは興味ねーんだよ。なあ、ハルト!」


オレ達4人は高校1年から3年まで同じクラスで

いつも4人でいる。

きっと大学生になっても、大人になってもこーやって、

身のない話しで、ギャーギャー言ってるんだろうな。


だからもう卒業まで1ヶ月というのに、

寂しさもあんまりない。別々の進路を歩むというのに、

すぐ出会える気がする。



キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン


「はい、では終礼はじめます。みんな着席。

えー、今日で全てのテストが終了しましたね。

皆さん、どうでしたか。顔を見ていると、追試の方も2名ほどいそうですが、全員でテストに取り組むということは今日でおしまいです。3年間大変良く頑張りました。残り1ヶ月は大いに遊んでください。ここにいるかけがえのない仲間達と笑い合ってください。先生とも遊んでね。

と、遊ぶのはいいですが、卒業式までの時間は気持ちもフワフワします。くれぐれも怪我や事故に気をつけ、体調も崩さぬようしてくださいね!それでは日直さん、挨拶お願いします。」


起立


《ありがとうございましたー。》


「ハルトー、帰るぞー。ケントは用事あるから、先帰ってー、だってさ。あれナツキは?」


「ナツキ終わってすぐ教室でてったぞ。なんか急いでたけど。」


「まじ!じゃいっか。今日さ、カラオケ行かね?テストも終わったことだしさー、歌わせてくれよおおお、ハルトくんんんんん。」


「またカラオケ?お前何回カラオケいくんだよ。別にいいけどさ。」


「僕は何回だぁって、何十回だぁってカラオケに行きますさ〜」


「急なbacknumberやめろよ。カラオケでも歌ったことないもの出してくんなって」


「ハルトのツッコミは今日もキレキレですね〜。

メッシのドリブルくらい、キレキレ。」


「ちょっと全盛期過ぎたキレだろ、オレはいつでもキレキレだよ」



教室でのキレキレのツッコミがウソのように

外の天気は雨。

雨の日は遊びも室内に限る。そしてテストのストレスを発散するには、カラオケは悪くない。

なんも考えてないよーでちゃんとした提案をしてくるのが、

リクっぽい。



2時間くらい歌い、

最後にRIP SLYMEのOneで締めるのがお決まりだ。

今日は2人だが、4人できたときもお決まりだ。


「いつも通りのearly morning」出だしで全てもってかれる気がした。いつも通りは普遍的で最高だ。


カラオケを出ると、雨はあがっていた。

リクとも解散して、

家に向かう。



目の前からナツキが必死そうに走ってくる。

それを賢人が必死そうに追いかけている。

手には尖ったものを持っている。


なんとなくナツキが賢人を怖がりながら

走ってくるのが遠目でわかる。


気がつくと、賢人の前に立ちはだかっていた。

気がつくと、尖ったものが自分のお腹あたりに刺さっていることが分かった。

気がつくと、ナイフであることが分かった。

気がつくと、赤いものが身体から流れていた。

それが血だと気づく前に、オレは目を閉じていた。


《ピーポーピーポー》


《かなり傷が深い、早くしないとやばいぞ、》


「ハルト!ハルト、死なないで!」







《ピーーーーーー》



「ハルト、、、、うわぁぁぁぁ〜ん」




頭の中でなにかが流れる。


聞き覚えのある音。



キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン


チャイムの音が人生の始まりの合図と思ったのは

自分だけだろうか。




次話に続く。



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