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第50話:仕事について (下)

(俺の友達として忠告してくれたのはいいんだけど人の彼女を苛めるのはやめてくれませんかね。主にどうフォローすればいいか分からなくて困るんで)


ということで分からないなりに考えた末取り敢えず手を繋いでおけばいいかという発想に至った俺は自分の右手でそれをし、照れ隠しのために紅茶を飲んでから


「なんか校長はご大層なことを言っていたけど実際は俺が他人の声を聴きたくないからってだけだからそんなに気にすんな」


だいたいさー、なんで俺が親に用意してもらったスマホなりPCなりで他人の悪口を書き込んでイキってるガキだったり、自分が稼いだお金でそれを使えるだけの年齢なのにも関わらずネットだからと好き勝手言ってるような人間に時間を割かなきゃいけないのって感じじゃん。


『お前のことだぞ‼』


なんてね。


「あとは読者やネット上の声を聴くことによってそっちに引っ張られるそうになるのが嫌だからだったり、一々売り上げとかを気にして仕事のモチベが上がり下がりすると困るからっていう理由もあるんだわ」


「素直に一番の理由は下手にエゴサをしてこれ以上余計なプレッシャーを感じたくないからと言えばいいものを」


「そうやって人の株をどんどん落とすようなことをするのはやめてくれませんかね、ホント。これで彩乃にフラれたら絶対にお前のせいにするからな」


「それは困るなぁ。ということで佐々木君には先に言っておくがイチは女の子の扱い方なんて全然知らない、仕事関係では色々と背負っているものが大き過ぎてここまで耐えてこられたのが不思議なくらいという面倒くさいことの塊のような男だ。しかし私が自分の立場を抜きにして友達をやっているくらいには良い子であるから、よければ何時までも隣にいて支えてやってくれ」


さっきの忠告の時とは真逆の、まるで俺の爺ちゃんみたいな雰囲気でそうお願いするとさっきまでずっと黙っていた彩乃は俺の手をギュッと握り返してきてから


「お生憎私は付き合っていく中で彼氏の嫌なところだったり駄目な部分が見えたとしてもそこで嫌いになって終わるのではなく、その部分を自分色に染める。でもそれは私が気に入らないからとかではなく相手のことをちゃんと考えたうえで行動に移す派の女ですのでご心配なく。ということでさっき私があげたチョコは没収ね♪」


「えっ⁉ おい、待て待て待て! まだ3つも残ってるだろうが」


「私渡すと時に『せめて二日に分けて食べな』って言ったよね?」


「………………」


「いっ・た・よ・ね?」


「言ったにも無きにしも非ず かもしれなくもなくもない かもしれません」


「あはははは、これで少しは私も安心できそうかな」

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