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第43話:バレンタインデーⅡ

東京は大都会なだけあって一人専用席やそういった層向けのご飯屋さんが結構あったりするのだが絶賛お昼時ということで混んでいるとかいう次元を軽く超えているだけでなく、牛丼屋さんみたいなすぐに出てきてすぐに食べて出ていくみたいなお店に関しては田舎者の俺からしたら殺気立っているようにしか見えず怖い。


ということでいつも通りそんなところに足を踏み入れるくらいなら高い金を払うわの精神で何から何までいいものを使っているのであろうパン屋でパンと飲み物を買い、それを持ってタクシーに乗り込むとコートのポケットに入れていたスマホが震えた。


(ん、L○NEか?)

___________

 L○NE        

 一通の通知

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(部活の奴らにスマホを見られて仕事のことがバレると嫌だから送られてきた内容を表示しないように設定してるけど、これって誰からきたのかはアプリを開くまで分からちょっと心臓に悪いというか……)


(まあ単純に彩乃からかもしれない、何か彩乃に嫌われるようなL○NEを送っちゃったかな? みたいな感じになるからなんだけど。あとはロック画面のままでもある程度送られてきた内容か分かることによって心の準備ができ)


彩乃:《お仕事中ごめんね》


(………るじゃないですか。今回でいえば彩乃に仕事の件で色々とバレていることとかね)


彩乃:《どうしても今日中に渡したものがあるから何時もの教室に来てくれると嬉しいんだけど、来られそうかな?》


陽太:《14時6分発の新幹線に乗る予定だから16時半前後には着くとは思うけど、それでも大丈夫?》


彩乃:《私は何時でも大丈夫だから気を付けて来てね》


(自分で聞いといてなんだけど、どう考えても2時間半以上待たされるのに大丈夫なわけねえよなぁ。今が12時34分だから今から乗れる新幹線で一番早いやつは……)


「すみません、あと何分くらいで着きそうですか?」


「この調子だと10分くらいですかね」


「なるほど、ありがとうございます」


(となるとタクシーから降りた瞬間から券売機に向かって走って切符を買えば……ギリギリ12時55分のに乗れるか? いや、何がなんでも乗るとして払い戻しをしちゃうと後で色々と面倒くさいから自腹でいいか)


(えーとまだ空いてる席は………ねえ、なんで普通車どころかグリーン車まで全部埋まってるの? そしてなんでグランクラスはこんなにガラガラなの? グリーン車に乗る金あるならグランクラスに乗れよお前ら)


(ただでさえカードを使って切符を買ったら母さんにバレるから現金で買わなきゃいけないのに、このふざけた値段を出したら俺の財布の中身が空っぽになるっうのう)






(グランクラスすげー‼ 別にそんなしょっちゅう乗るわけでもないし完全プライベートで新幹線を使う時限定でなら次のご利用も考えなくはないわ!)

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