第42話:その頃彩乃は
今日は2月14日のバレンタインデー兼放課後ひーくんに告白すると決めていた日でもあるので私は昨日の夜に作った生チョコを持って校長室へと入り
「放課後になったら取りに来ますんで、それまで冷蔵庫を貸してください」
「ん? 別にこの部屋の冷蔵庫を貸すのは構わないが、確かイチは仕事で東京に行っているから学校には来ないはずだよ」
「………………」
「そんな無表情でこっちを見られても困るんだが……私からそれとなく連絡してみようか?」
「いえ、何となくそんな気はしていたので大丈夫です。あと自分で連絡してみますのでお気になさらず」
「佐々木君が怒りたくなる気持ちも分かるけどねぇ。これもいい機会だと思って彼がこの後どういった行動をするのか確かめてみるのもアリなんじゃないかい? たとえ悪い方に転んだとしてもそう簡単にイチから離れていくような女の子だとは思えないし」
たまたまとはいえ何回も同じような状況が続けばいくら相手が好きな人だろうともイラッとくるもので、どうしてやろうかとすら思っていたのだが
(うーん、確かに今後のことを考えればどっちに転ぼうとも私にとってはプラスしかないんだしその案はアリかもしれないな。………それに私の勘がそれを実行することによって更にひーくんの素敵なところが見えてくるって言ってるし)