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第36話:vs校長 (上)

その後A男は荷物検査に来た先生によってどこかに連れていかれたことによって帰りの会どころではなくなったウチのクラスは担任の先生が無理やり喋っている奴らを黙らせたのち


『まだ本当にA男がやったのかが分からなかったり、もしそうだったとしても処分が決まっていない以上憶測だけで話をしたりむやみやたらに話を広げないこと』


などとまったく効果のなさそうな形だけの注意をし、今年最後の帰りの会は終わった。


そのため俺は倉科に部活に遅れることを伝えてから急いで自分の荷物をまとめ、そのまま校長室に乗り込むと


「私になにか用事かい?」


そんなとぼけた質問をしてきたので俺はさっきまで我慢していた怒りを爆発させるかのように


「おい、さっきの犯人捜しはいったいなんだ! どう考えてもあれはやり過ぎだろうが!」


「やり過ぎ? うーん、まあ確かにあれはやり過ぎだと言われてもしょうがないかもしれないね。だが今回の犯人であるA男は普通に窃盗という犯罪行為を犯した。そんな人間にやり過ぎも何もないんじゃないかい?」


「それはそうだけど、あんな大勢の前で公開処刑みたいなことをすれば今後アイツがクラス内どころか学校自体に居づらくなることは馬鹿でも分かることだろうが! だからこっちは写真まで送ってやったってのになんだあれわ!」


「別に学校内とはいえ犯罪行為を行った時点で退学なのは()()決定みたいなものなのだから、だったら見せしめとして有効活用した方が何かとお得だろう? こっちとしてはそんなそんな犯罪者が出てこられても困るからね」


(窃盗犯とはいえ一生徒を有効活用だと? この爺本気で言ってんのか?)


「それどころか荷物検査を行った副産物として生徒の荷物から煙草とライターが出てくる出てくる。既に報告されているだけでも10人ちょっとはいるよ。もちろんA男も含まれているよ。まったく、ただでさえ年末年始で忙しいというのに余計な仕事ばかり増やしてくれる」


「おい、まさか教○委員会かどっかから県内の全学校に向けて抜き打ちの荷物検査を行うよう指示されていて、それを誤魔化す話題作りのためにA男を生贄にしたとか言わねえよな?」


「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」


「ふざけてんじゃねえぞジジイ‼ 実際どうなんだ‼」


「これからの時期は中学生による願書出願や高校入試が控えているからね。ウチのような学校は特に大事な時期なんだよ、今は」


(チッ、このジジイが言ってることも一番悪いのはA男だってことは分かってるけど、それでもこの結果は納得いかねえ)


「じゃあなんだ? 俺が○○のS○itchが盗まれたことを、A男が怪しいことをアンタにも先生にも言わずに見て見ぬフリしておけばよかったってのか? そしたらこんなことにならずに済んだってか? ふざけんじゃねえぞ‼」


「俺はアンタにA男から○○のS○itchを取り返してほしくて、でもA男が今後学校内で虐められないで済むよう最小限の騒ぎで済むようにしてほしかったからアイディアまで考えて頼んだってのに、それを自校で起こった問題の隠蔽に使ったってか?」


「………………」


「ははは、もはや笑えてくるぜ」


(そろそろ一か八か勝負に出るか?)


そう考えた俺はポケットからスマホを取り出し………。

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