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第31話:その頃彩乃は

やっぱり京都に来たのなら清水寺に行ってみたいということで私と明日香は他のお寺やお店を回りながらそちらへと向かって行き、そこにある音羽の滝で学業成就・恋愛成就・延命長寿の三つのうち私は恋愛成就を、明日香は学業成就を飲んだ。


その後まだ時間もあるからということで次の観光スポットへ行こうとしたのだが、突然今日の夜ご飯を食べるお店が頭の中に思い浮かび始めたと同時にそれが気になって仕方なくなってしまった私はこのことを明日香に話すと


『もしかしたらよーくんが一人で座っていたりしてね』


なんて笑いながらもそのお店へ行くことを勧めてくれたのでありがたくそうさせてもらうと


「「………本当にいた」」


「(ちょっ、なんで一之瀬君一人なの? 部活の友達とかは?)


「(てっきり私も部活の誰かと回ると思っていたのだけど、もしかしたら自分からは誘えなくてっていうパターンかも。……うーん、でも何人かは相手から誘ってくれるような人・それだけ仲がいい人もいるはずなんだけど)」


「(そこら辺は直接聞くとして取り敢えず彼のところまで行こう。もし本当に今日一日一人だったんだとしたら流石にキツ過ぎるって)」


そう言うと明日香は今到着した風を装いながら一之瀬君に近づき


「あれ? よーくん一人だけ? ひっしーとかとは一緒じゃないの?」


「健太は大阪組らしいから一緒じゃない。あとは知らん」


「あとは知らんって、もしかして今日一日ずっと一人で行動してたの?」


「まあ、特に誰とも約束してなかったし」


(それなら私達が誘ったのに。空港で解散した時にもっとちゃんと見ておけばよかった)


(というか教室で毎日話してたんだからその時に聞けばよかったんじゃん! んー、私のバカ‼)


今日までの自分の行動に後悔しながらも、これ以上この人を一人ぼっちにさせないようにと私達はそのまま一緒の席についた。






それからしばらくすると今日の夜ご飯である湯豆腐が運ばれてきたので早速私達三人は順番に取り分け、それを食べ始めたのだが少し気になることがあった私は一之瀬君のことをさり気なく観察しながら


(やっぱり一之瀬君って箸の使い方が凄く上手いんだよね。豆腐とかも綺麗に掴めてるし。となると単純に菜箸に持ち替えるのが面倒くさくて穴あきお玉をそのまま使ったのかな?)


なんて考察をしていると自分の分がなくなったらしく再び穴あきお玉を使い始めたので何を入れるのか見ていると


(今度は豆腐を取っていないということは……もしかして菜箸を使うのが苦手とか?)


そう思った私は次から彼の分も取ってあげることにしたところ最初は素直に皿を渡してくれなかったものの、今となっては


「佐々木、取って」


「はい、ちょっと待ってね」


(なんでも自分でできそうなイメージがあったせいか今の一之瀬君は普段にも増して可愛いいんですけど)

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