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第2話:この時期の読書は禁忌
周りの目がとか何とか言っていてもしょうがないのでささっと自分の席を確認しに行ったところ、なんとラッキーなことに俺の席は廊下側の一番後ろの席だった。その代わりに隣の席は知らない名前+明らかにヤバそうな女子が座っているがまあそれは一旦忘れよう。
ということで早速個人的優良席ランキング第二位の席へと着席した俺は周りの人に自分から話し掛けるなどという高等技術を披露するわけもなく、いつも通りラノベを読み始めた。
そういえば丁度去年のこの時期に中学からの友達で今日も一緒に登校してきた誉が
『新しいクラスに入ったばかりの時は出来るだけ周りの人間から話し掛けてもらえるよう絶対に読書はしちゃ駄目だ』
とか言っていたがそれはまだ高校一年生だったからの話であって、去年のクラスメイト・同じ部活の友達同士で固まっている今、そんなことをするだけ無駄である。
あと俺みたいな人間は話し掛けてくれる人がいたとしても仲良くなるまでに時間が掛かるため、そうなる前に離れて行ってしまうなんてことはザラである。