第21話:夏合宿2日目
合宿あるあるその1。いつもの練習とは比べ物にならないほどキツイ。
ということで俺達は絶賛ランニング中なのだが、練習場所である付属校が山の上にあるせいで一往復してくるだけでも普通にキツイ。キツイのに、二時間で10往復できなかった奴は夜に追加メニューありとか言い出すのだからウチの顧問は鬼である。
「もう死ぬ、もう無理、もう限界」
「はい、よーくん、あと一往復。というかそれさっきも聞いたし。早くしないと寺嶋君に一位取られちゃうよ」
「アイツ今どこ?」
「うーん、あっ来た!」
「おまっ、もっと早く言え!」
(というか寺嶋ってマジなんなん? 終盤の方とかこっちはほぼ気力だけでトップを維持してるってのに、いつ見ても涼しそうな顔してんだけど。もはや陸上部行けよ)
そんな愚痴をこぼしながらもラストいうことで全気力を振り絞って上り坂を走り抜け、帰りの下り坂はペース配分など全無視した全速力で走るという頭の悪いことをした結果
「はい、よーくん一位♪ からの寺嶋君二位♪」
「はぁ、はぁ、はぁ、陸上部、行け……体力お化け」
「いやいやいや、ようだって十分おかしんだから俺が行くならお前も道連れだわ」
「はーぁ、はー、絶対に……やだ、はーぁ」