第144話:その頃彩乃は
なんてやり取りがあってからの数分間、今のひーくんはキャラ変彼氏状態ではなく完全に素の彼なのに加え今回は私が主導権を握っていることや、場所が場所ということもあり中々自分から動こうとしてくれなかったものの
(恥ずかしがってるひーくんも可愛いっていうのは自明の理ということで一旦置いといて………)
『んぅ~、あっぱりえんぶあめっ‼(やっぱり全部だめっ‼)』
そう言いながら人差し指だけのちょっと変わった恋人繋ぎをしてきてくれたこと以外は全て私の予定通りであったとはいえ、やはりこうやって好きな人が行動してくれたという事実が兎に角嬉しくて若干顔がにやけてしまいながら
『ふふ~んぅ♡ ひーくん、私のことでヤキモチ焼いちゃったの? 焼いてくれちゃったの?』
『ッ~~~~///』
(はぁ~、そうやって『いったいどこからどこまでが狙ってやっていたのか分からないどころか、今もどっちなのか全然分からん』みたいなことを考え困惑しちゃってぇ♡)
『んぅ~~~っ♡ そうやって顔を赤くして恥ずかしがってるひーくんも可愛い♡ はぁ…そんな可愛い顔をされちゃうとまた違った意地悪をしたくなっちゃうよ♡』
『んぅ~~~ッ』
(まあ、そろそろ他の人達もここに着くみたいだし、他の女どもに私だけのひーくんのあれこれを見られてしまう可能性が少しでもある以上絶対にそんなことやらないけど。………ところで素人でも他人の記憶って消せるのかな?)
「ひっ⁉」